食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 研究者らが低線量被曝のリスクを突き詰める

Natureニュース
Researchers pin down risks of low-dose radiation
Alison Abbott 30 June 2015
http://www.nature.com/news/researchers-pin-down-risks-of-low-dose-radiation-1.17876
原子力施設労働者の大規模研究が僅かな線量でもほんの少し白血病のリスクを増やすことを示した
何十年もの間、研究者らは、医療や福島原子力発電所から数十km以内に住む場合のような極低線量のイオン化放射線のリスクを定量しようと試みてきた。それが存在したとしても、健康への影響があまりにも小さいので検出は不可能のように思えた。今や画期的な国際的研究が長期低線量暴露が白血病リスクを上げる、ただしほんの少しだけ、という考えをより強く支持する。(K. Leuraud et al. Lancet Haematol. http://doi.org/5s4; 2015).
この知見は既存の医療や原子力労働者のガイドラインを変えることはないだろう、これらの政策は既に低線量放射線ががんリスクを少し上げるとみなしているので。しかし無害になる閾値があるという考えを撃沈し日々の暴露によるリスク計算にややしっかりした数字を提供する。ICRP放射線影響に関する委員会の座長でワシントンのPacific Northwest 国立研究所の低線量放射線におけるシステムバイオロジー部長であるBill Morganは「低線量放射線の健康リスクはほんとうに微々たるものであるが、一般の人々は非常に心配している」という。これらの懸念によりリスクを定量するための計画にたくさんのお金が使われた。「我々は人々に説明するのが上手ではなかった−放射線のリスクを文脈に沿って伝えるのは難しい−ある人はリウマチ治療のためにラドン温泉に行き、一方ある人は宇宙線が怖くて飛行機に乗らない」
イオン化放射線はDNAを切断し累積線量が多ければ多いほどがんリスクが上がることはわかっていた。しかし低線量でのリスク増加はあまりにも小さく、定量は極めて困難だった。今回IARCのコーディネートした、フランス、米国、英国での線量計をつけた核施設労働者30万人以上の研究がこうしたデータを提供した。この労働者の死因を調べ、時に60年にもわたる暴露記録とつきあわせた。
労働者らは平均でバックグラウンドより年1.1mSvの追加被曝であった。この研究では白血病のリスクが線量に応じて上がること、その直線関係が極低線量でも存在することを確認した。この結果は6月21日に発表された。デンマークがん学会研究センター長の疫学研究者Jørgen Olsenは「これはしっかりした、低線量被曝についての普通でない大規模研究である。この知見は一部の白血病は自然のバックグラウンド放射線が原因であることを意味するが、個人にとってのリスク増加は無視できるほど小さい」という。
ICRPは既に年間6mSvを超えて被曝する人のモニタリングを要請している。
大きな、そして増加している低線量被曝源は医療である。米国人の年平均被曝量は主に医療のために二倍になった。特にCTが高く、一回の腹部スキャンで10 mSv以上になる。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150623#p6
労働者の医療被曝を考慮していないというコメントがついている。時代とともに主な被曝原因が変化していて近年では圧倒的に医療被曝が多いので。またあまりにもリスクが小さいので閾値があるかどうかという議論が無意味とも。
しかし原子力分野ではこんな小さなリスクに膨大なお金を使えるのに、食品分野は全く。調べないから見えないだけで遥かに大きいかもしれないのに)

  • カリフォルニアは今や最も厳しいワクチン法をもつ州の一つになった

California Now Has One Of Country’s Toughest Vaccine Laws
07/01/2015
http://dailycaller.com/2015/07/01/california-now-has-one-of-countrys-toughest-vaccine-laws/
Jerry Brown知事が、信仰によるワクチン拒否を認めない法案に署名した
Brown知事はこの法は狂信に対する科学の勝利だと説明した。
http://gov.ca.gov/docs/SB_277_Signing_Message.pdf
ワクチンが子ども達を多数の感染症から守ることは明確である。医学的介入にリスクがないわけではないが予防接種は強力な利益がありコミュニティを守る。

  • 「早寝早起き朝ごはん」中高生等向け普及啓発資料及び指導者用資料

http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1359388.htm
すごい。文部科学省の名前でこのうさんくささ。
・食べる量が同じでも夜遅い時間に食べると太る
→そんなのまだ確立されていない
・消化に良い食事と消化に良くない食事の例
パン、ごはん、うどん、にんじん、だいこん、チーズ、豆腐、白身魚が消化が良くて○
そば、ピーマン、たまねぎ、しいたけ、レモン、固ゆでたまご、牛肉、豚肉が×
→何のデータ?オニオンスープとニンジンスティックならオニオンスープのほうが良くないか?突然レモンって何? 中高生がおやつにレモンだけ出されたら泣くと思う。
体内時計の遺伝子が発見されたからとか遺伝子原理主義
相関関係と因果関係の混同、結論ありきの恣意的データ扱いなどおよそ科学とは言い難いもの。
ところで中高生の「早寝早起き朝ご飯」で、子どもが私立中に入学したときに言われたのを思い出す。ただし意味はかなり違う。「今まで親御さん達は子どもの勉強の計画を立てたり塾に送り迎えしたり友達関係にまで口出したりしてきたでしょうけれど、これからは「早寝早起き朝ご飯」以外はやらないでください。学校に通ってさえいれば子ども達は成長します、塾も必要ない、親は突然留学したいとか言われた時に慌てないようにお金の心配をしたほうがいい」と。中学受験するような層にとっては中高生になると親のほうが邪魔という話で、早寝早起き朝ご飯はそれだけなら口出ししてもいいいという項目。一方子どもの生活リズムに気を配る余裕のない家庭に対してはこんな説教に何の効果もない(学校で子どもに朝何か食べさせる方が実効性あるだろう)。