食品安全情報blog過去記事

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母乳と尿のグリホサート含量の評価

Evaluation of glyphosate contents in breast milk and urine
30.06.2015
http://www.bfr.bund.de/cm/349/evaluation-of-glyphosate-contents-in-breast-milk-and-urine.pdf
メディアの報道によると16検体の母乳と16検体の尿のグリホサート含量を調べる研究が行われた。BfRはオリジナルの研究を知らず分析とサンプリングなどに関する方法論上の情報もないが、入手できるデータから予備的声明を発表する。BfRが評価した他の7つの研究の尿中グリホサートデータでは、検出されているのは通常1Lあたり一桁マイクロgの範囲で、一貫して健康上の懸念となる量より遥かに低い。母乳中のグリホサートの知見から想定されているのは飲料水基準値を超過していることであるが、これは必ずしも健康リスクがあることを意味しない。飲料水の基準は個々の物質の毒性から導出されたわけではなく、全ての農薬に対して予防的措置として設定されている。
メディアによるとELISAで母乳と尿のグリホサートを測定している。しかしELISAは水のグリホサートを検出するのに使うが母乳には適さない。脂肪を含むものについては液クロを用いて10 ng/ml程度が検出限界である。母乳に検出された量がこれ以下なので分析法についての詳細情報がない状態では評価できない。また水質基準の0.1 ng/mL以上だったとメディアが報道しているがベビーフードについては0.01mg/kg(10 ng/g)であり飲料水の約100倍高い。
グリホサートはその性質から脂肪組織に蓄積することはなく、母乳から分泌される量が増えることは予想されない。
入手可能なデータからはこの検査が母乳や尿で妥当性を検証されたものかどうかはわからない。意味のあることを言うにはそのような妥当性評価が必須である。なぜならばグリホサートの物理的・化学的性質から異なる媒体中での検出限度は大きく異なるからである。多くの研究でグリホサートは生物に蓄積しないことが示されている。

(これかな
母乳からグリホサートが検出された
Glyphosat in Muttermilch nachgewiesen
26. Juni 2015
http://www.sueddeutsche.de/gesundheit/unkrautvernichtungsmittel-glyphosat-in-muttermilch-nachgewiesen-1.2539478
キットでも使って適当な数字でも出したのだろうか
普通の研究者でもそういうのはよくある。)