食品安全情報blog過去記事

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英国の妊娠女性の3人中1人が暴飲しているという報告は確認されていない

Behind the headlines
Reports that 1 pregnant woman in 3 in UK binge drink unconfirmed
Tuesday July 7 2015
http://www.nhs.uk/news/2015/07July/Pages/Reports-that-1-in-3-of-UK-pregnant-women-binge-drink-unconfirmed.aspx
Mail Onlineが「英国人女性の1/3は妊娠中に暴飲することで赤ちゃんに重大な害を与えるリスクを冒している」と報道した。心配になる統計ではあるがこの見出しの根拠はMailが読者に信じさせようとしているものほど明確ではない。
この話は英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドの約17000人の女性の妊娠前及び妊娠中の飲酒について比較したものである。またどの集団の女性が妊娠中の飲酒を報告する可能性が高いかも調べている。
全体の数は大きいが、メディアが明確にしていないことは英国人女性のデータはわずか651であることである。また2004年から2011年の比較的長期のデータを集めているため、飲酒習慣は変わっている可能性がある。
これら651人の女性のうち、妊娠最初の3ヶ月間に暴飲(一度に6ユニット以上)したと報告したのが1/3であった。全ての国で次の三ヶ月間の数値は劇的に下がって約15である。このパターンは女性は暴飲していたときに妊娠に気がついておらず、妊娠がわかったらやめた可能性を示唆する。妊娠しているかいないかに関わらず、暴飲は避けるのがベストである。現在のNICEの助言は妊娠最初の三ヶ月は禁酒すること、である。