食品安全情報blog過去記事

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論文

  • ほとんどの慢性痛患者は代替療法を使用しているが、その多くは医師に伝えていない

Most chronic pain patients use alternative therapies, but many don't tell their doctors
20-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/kp-mcp071515.php
American Journal of Managed Careに発表された、ワシントンとオレゴンのKaiser Permanente会員で2009-2011年に18ヶ月以内で3回以上慢性痛で外来に来た6000人以上を調査した報告。このうち58%がカイロプラクティックまたは鍼またはその両方を使っていた。大半は医師に代替療法について情報を共有していたが相当数(鍼のみの使用者で35%、カイロのみの使用者で42%)が医師に使用を報告していない。ほぼ全てのこれらの患者が、医師に聞かれれば答えるとしている。

  • 十代の薬物全体の使用は低下しているが大麻の利用は増えている

Teens' overall substance use declining, but marijuana use rising
20-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/ps-tos072015.php
米国の健康統計によると十代の喫煙者飲酒は安定または減っているがマリファナの使用は増えている。1976年から2013年までの高校生のデータを解析。Journal of Adolescent Healthに7月20日発表。

  • 下水中の薬物が飲料水を汚染している

Drugs in wastewater contaminate drinking water
20-Jul-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/w-diw072015.php
Environmental Toxicology & Chemistryが医薬品についての特集を組み、その中でカナダの地表水から濫用されている薬物や処方薬が検出されていることを報告している。コカイン、モルヒネオキシコドンの濃度は飲料水処理工程では効果的に除去されない。

  • いかにしてGMOはバナナの大災害予想からの予期せぬ救済を提供するか

How GMOs Offer Unexpected Salvation from a Potential Banana Apocalypse
by Mark Hay
July 10, 2015
http://magazine.good.is/articles/cavendish-banana-fungus-monoculture-gmos
市販のバナナの99%がキャベンディッシュで、バナナは典型的なモノカルチャー作物である。1950年代に優勢になってから80年代までずっと主流だった。しかし今やFusarium Oxysporum Tropical Race Fourと呼ばれる病気がこの遺伝的に同一な世界のキャベンディッシュに蔓延している。
最も合理的な解決法はバナナの多様性を増やすことだが、バナナには世界中で1000もの品種があるにもかかわらず、キャベンディッシュが最も農業生産性が高かったために新しい品種の作成努力があまりなされてこなかった。そして大手も消費者が嫌うという理由で遺伝子組換えを掘り下げてこなかった。
しかしRace Fourについての研究が進むと多様性を増すだけでは十分ではなくGMOとの組み合わせが現実的な解だという主張がある。どんな病気が発生するのかわからない状態で病気に備えた多様な品種の栽培は現実的ではなく、多様な品種を栽培しつつ病気が発生したら速やかにGM技術を利用して経済的・食料的被害を最小限に留める、のが現実的だろう。