食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 軽度/中程度飲酒は男女喫煙者の一部のがんリスクの増加と関連

Light/moderate drinking linked to increased risk of some cancers in women & male smokers
18-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/b-ldl081415.php
BMJに発表された大規模研究によると、例え少量の飲酒であっても(女性は1日1杯、男性は1日2杯まで)喫煙者では飲酒関連がんのリスク増加と関連する。
全体としては軽度から中程度の飲酒は男女両方で総がんの最小限のリスク増加と関連する。ただし女性では軽度から中程度の飲酒はアルコール関連がん、主に乳がんのリスク増加と関連する。さらに男性では軽度から中程度の飲酒でアルコール関連がんのリスクが高いのは喫煙歴のある人だけで、タバコを吸ったことのない男性では関連は見つからなかった。
大量飲酒はいくつかのがんのリスク増加と関連する。
同時発表されたエディトリアルで、Jürgen Rehm博士は大雑把に言って、女性は1日1杯、男性は1日2杯以上飲むべきではない、という。さらにがんの家族歴がある人は推奨レベルよりさらに下げるかあるいは全く飲まないことを検討すべき、としている。

  • 海の食物網における水銀毒素の動態

The dynamics of mercury toxins in the oceans' food web
18-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/w-tdo081815.php
新しい研究によると北極の動物種のメチル水銀濃度は食物連鎖下位の動物より高いが、同時に水銀毒素から保護する作用のある可能性のあるセレン濃度も高い。
Environmental Toxicology & Chemistry

  • 福島汚染物質の行方を探る

Examining the fate of Fukushima contaminants
18-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/whoi-etf081815.php
国際研究チームが福島第一原子量発電所の沖合で集めた堆積物についての3年間の研究結果をEnvironmental Science and Technologyの2015年8月18日号に発表した
Woods Hole海洋学研究所のKen Buesselerらのチームは、福島の汚染海床堆積物の極一部が台風により沖合に運ばれ海水中に放射性粒子を再懸濁しそれが南東海流に乗って太平洋を旅することを発見した。輸送されるのは年に1%未満と少ない

  • 砂糖が食品に加えられる5つの理由

Five reasons why sugar is added to food
18-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/ioft-5rw081815.php
Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safetyの9月号に発表されたレビュー。
1.味
2.色と風味(メイラード反応とカラメル化)
3.かさとテクスチャー
4.発酵(微生物の餌となる)
5.保存(水を吸収する)

  • 腸内細菌が目の病気に関連

Scienceニュース
Gut microbes linked to eye disease
By Mitch Leslie 18 August 2015
http://news.sciencemag.org/biology/2015/08/gut-microbes-linked-eye-disease
新しい研究によるとある種の腸内細菌が破壊的免疫細胞が目に入るのを可能にするタンパク質を作り、自己免疫性ブドウ膜炎の引き金を引く可能性がある。
自己免疫性ブドウ膜炎で標的となる目のタンパク質の一つをT細胞が認識するように遺伝子組換えをしたマウスは離乳時期周辺で目の病気になる。しかし腸内細菌をほとんど殺すよう4種の抗生物質を与えると発症が遅れるあるいは重症度が低くなる。腸内細菌のいない無菌マウスでも同様だった。病気のマウスの腸の内容物を培養T細胞に加えて調べ、タンパク質が関与していることを示唆した。
Microbiota-Dependent Activation of an Autoreactive T Cell Receptor Provokes Autoimmunity in an Immunologically Privileged Site
Immunity
Volume 43, Issue 2, 18 August 2015, Pages 343–353