食品安全情報blog過去記事

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論文

  • アフリカのストライガがきっかけとなる食糧不足を乗り越える希望に青信号

Green light of hope to overcome Striga-triggered food insecurity in Africa
21-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/iotb-glo082115.php
蛍光発色プローブがこの有毒植物の種子の「目覚ましタンパク質」を同定
Scienceに発表された名古屋大学の研究
ストライガは美しい赤紫色の花を咲かせるが主要穀物の脅威となる寄生植物である
ストライガが宿主を見つけるときに利用するストライゴラクトンと同様の作用をし反応すると緑の蛍光を出す物質ヨシムラクトン(吉村さんが合成したラクトン)を利用した研究。

  • 肉の種類に関するChapman大学の研究は市販商品の誤表示を示す

Chapman University research on meat species shows mislabeling in commercial products
20-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/cu-cur082015.php
Chapman大学の食品科学計画は市販商品の肉の誤表示についての2つの論文を発表した。一つは挽肉に、もう一つは狩猟肉に焦点をあてた。いずれも米国で販売されている商品を調べ、どちらも間違った表示を発見している。挽肉製品については48検体を調べ10が誤表示、そのうち9つは他の肉が追加されているもので1つは完全に間違いだった。間違いが多いのはオンラインで販売されている特別な肉で35%が誤表示で中にはツキノワグマやヤクのバーガーと表示されていたものがあった。
狩猟肉については54製品中22製品から表示と違う肉が検出された。バイソンと表示されていた2製品とヤクと表示されていた1製品は家畜の牛であった。他にツキノワグマと表示されていたものがアメリカビーバー、雉と表示されていたものがホロホロチョウだった。さらに表示は正しく合法だが絶滅危惧種(ライオンやバイソン)が5検体あった。
どちらもFood Controlに発表された。

  • 子どもの砂糖摂取量の多さは家庭の機能の貧弱さに関連する、研究が発表

High sugar consumption among children relates to poor family functioning, study finds
21-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/qmuo-hsc082115.php
Caries Researchに発表された新しい研究によると、健康的な食習慣の主要決定要因は家庭の機能の全体的質である。東ロンドン家族(ELF)研究によると、家庭がうまくいっているという母親の認識が3-4才の子どもの砂糖摂取量を減らすのに有意な影響がある。「家庭の機能がうまくいっている」は、日常生活を管理できていて問題が生じてもコミュニケーションと役割により暖かく心のこもった相互作用で解決できる、と定義される。機能的家庭の子どもは機能不全家庭の子どもより1日に砂糖の多い飲料や食品を4回以上摂ることが67%少なかった。
(食生活の交絡要因はいろいろあるので特定の食品と何かが関連するからってその食品だけのせいにはできないことがほとんど。なのに単純化したがるよね)

  • アメリカ人は自分自身よりおおきなものの一部であると感じるために地元の食品市場を支持する

Americans support local food markets to feel part of something bigger than themselves
22-Aug-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-08/asa-asl081815.php
米国社会学会の年次会合発表についてのプレスリリース
ファーマーズマーケットで買い物をしたり食品コープに入会したりする理由は、より新鮮で美味しいと考えているからだけではなく、そうすることで彼らの健康的ライフスタイルや持続可能な環境への情熱を共有するコミュニティの一部であると感じることができるから、である。彼らにとっては地産地消は巨大チェーンストアやグローバリゼーションへの脅威から地元の経済を守るための市民の義務の一種である。そしてそれを可能にしたのは収入増と教育の充実である。
地産地消は思想信条の問題である、ということは確認しておきたい。だからこそそれを学校で強制したりすることには慎重であるべき。まして地元のものだけ食べるのが健康にいいなどという嘘が伴う場合には。)

  • Grouponで買った有毒観葉植物が英国女性のペットのイヌを殺した

A Poisonous Decorative Plant Bought on Groupon Kills the Pet Dog of a British Woman
Devender Kundaliya on Sat, 08/22/2015
http://www.biztekmojo.com/001115/poisonous-decorative-plant-bought-groupon-kills-pet-dog-british-woman
英国GloucestershireのGill McClung夫人はGrouponで29.99ポンドで二つのソテツを購入した時、とても幸福だった。しかし庭に植えた後ハスキーとボーダーコリーがかみ始めて病気になり根を掘って食べた方が10日後肝不全で死んだ。サイカシン中毒。McClung夫人は包装には「観賞用。非食用」と書いてあっただけでペットへの毒性は何も記述がなかった、という。

  • 「母乳にグリホサート」研究の間違いを指摘した栄養学者が攻撃された−彼女の回答

Nutritionist Attacked After Debunking ‘Glyphosate In Milk’ Study - Here's How She Responded
August 17th 2015
http://www.science20.com/genetic_literacy_project/nutritionist_attacked_after_debunking_glyphosate_in_milk_study_heres_how_she_responded-156878
Moms Across Americaがお金を払って母乳を集めてグリホサートを調べウェブで宣伝していた件について母乳と授乳の専門家であるMichelle McGuireが懸念とはならないという結果を7月に発表した。その後彼女には反GM活動家から大学宛てに12000以上の文書の公開請求が寄せられ各種ウェブサイトで彼女の信用を貶めようとする記事が書かれた。それらに対するMcGuireの主張をここに再掲。

私の研究と私の現在の苦境について関心をよせてくれてありがとう。少し明確にしておきたい。確かに私達は研究プロジェクトでモンサントと協力した。しかしそれは私達が最初に母乳のグリホサートに興味をもって彼らに接触したので、結局のところグリホサートの分析方法については彼らが専門家だからだ。その結果彼らは母乳中のグリホサートやAMPAの分析はしたことがないことがわかったので、私達の母乳成分についての専門知識と彼らのグリホサートの化学についての専門知識を合わせることで協力できる機会だった。モンサントの人たちの専門技能と真の思いやりは印象的だった(冗談ではなく、彼らはいい人だった)。彼らは本当にグリホサートが母乳中にあるのかどうか知りたがっていた。
私達が一緒に作業をしたモンサントの社員は常に丁寧で思慮深く正しい研究をすることに最大の注意を払っていた。利益相反を管理するために、私達が集めた母乳はモンサントの研究室と独立したラボの両方で調べ、どちらからもたった一検体すらグリホサートもAMPAも検出できなかった。
科学の世界でのいつものこととしてこの結果はFASEB夏の学会で発表した。私は興味をもたれることを予想したが発表後の泥沼への準備はできていなかった。私が足を踏み入れてしまったこの恐ろしい世界の問題について私はナイーブだった。私は本当に、「何故彼らが私の記録を探しているのかわからなかった」のだ。
過去数週間で学んだことは、私がUS Right to Know団体の「情報公開法」標的にされたことは驚くことではないということだ。彼ら(USRTK)は私が非道徳的研究者であることを示唆するどんなものでも探そうとしている。また私は最初に母乳中にグリホサートが検出されるとインターネットで報告したMoms Across Americaのような団体からの個人攻撃に本当に、ほんとうに落胆している。私は彼らが結果が違う理由に関心を持ってくれることを期待した。しかし約24時間も私に説明させた後、Moms Across AmericaはFacebookから私をブロックし私の投稿した説明の全てを削除した。
Moms Across AmericaのウェブサイトはSustainable Pulseなどと一緒に私が想像もしなかった方法で私の信頼性を落とそうと攻撃している。彼らは結果の違いについて議論がしたいのではなく科学には全く興味がなく、ただひたすら私を貶めたいだけのようだ。
一方私は大学の同僚やモンサントと協力して論文を執筆中である。Moms Across AmericaやSustainable Pulseもそうすべきだ。でも彼らの答えはいつも同じで「私達のものは科学研究ではない」というものだ。
多くの科学者は自分の仕事を一生懸命やっている。資金源は結果に影響しない。
Michelle McGuire
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150724#p13
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20150810#p10

Stonyfield CEO Gary Hirshberg Can't Explain What's In His 'Natural Flavor' Yogurt
By Genetic Literacy Project... | May 19th 2015
http://www.science20.com/genetic_literacy_project/stonyfield_ceo_gary_hirshberg_cant_explain_whats_in_his_natural_flavor_yogurt-155643
今月初めのテレビインタビューで、Stonyfieldオーガニック社の社長で反GMO団体Just Label It創設者のGary Hirshbergが、レポーターから「何故あなたの会社のカップヨーグルトの「天然香料」についてもっと情報を提供しないのですか?」と尋ねられた。競争相手に対しては表示するよう運動をしているHirshbergは「我々はFDAの決まりを守っている」と回答した。「もし天然香料の成分のリストが欲しいなら何ページも必要になる」と笑って答えた。このことは彼の不誠実を象徴する。実際にはウェブで公開することも可能だが彼らはそんなことはしていない。環境団体EWGはStonyfieldの製品について「香料の内容を表示していない」として批判している。