食品安全情報blog過去記事

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  • ノー、あなたは1日にコップ8杯の水を飲む必要はない

NYT
No, You Do Not Have to Drink 8 Glasses of Water a Day
AUG. 24, 2015 Aaron E. Carroll
http://www.nytimes.com/2015/08/25/upshot/no-you-do-not-have-to-drink-8-glasses-of-water-a-day.html
無くならない健康神話があるとしたら、1日にコップ8杯の水を飲むべき、というものだろう。それは事実ではない。それに科学的根拠はない。
毎夏脱水の危険性が報道され、普通に健康な人や子ども達が脱水だと怖がらせられる。私は2007年のBMJの医学上の神話についての論文の共著者で、その時真っ先に取り上げたのが「1日にコップ8杯の水を飲む」であった。この論文はメディアで多く取り上げられたが、状況は変わらなかった。さらに2年後、我々は医学上の神話についての本を書き、そこでも1日にコップ8杯の水を飲む必要はないと書いた。しかしそれでも変わらなかった。
多くの人はこの神話のもとは1945年の食品と栄養委員会の助言だと信じている。そこには「人々は1日に約2.5Lの水分を必要とする」と書いてある。しかし続けて「ほとんどは食品に含まれる」と続くのが無視されている。
もちろん私は飲料としては水を薦めているがそれだけが水分ではない。あなたが必要な水分を水をのむことだけで得る必要はないし喉が渇いていないことを心配する必要はない。
あなたが聞いたことのあるだろうたくさんの話とは違って、健康な人が過剰な水を摂ることによる健康上の利益についての真に科学的な根拠はない。
この夏American Journal of Public Healthに発表された研究で子どもの尿の浸透圧を測定したものがこの神話に拍車をかけた。水をたくさん飲む子どもに比べて飲まない子どもは尿の浸透圧が800 mOsm/kgより高いという。そして尿の浸透圧が800 mOsm/kgより高いことを「脱水」と定義して問題だと主張する。しかし小児科医として、私は子どもの尿の浸透圧は脱水を意味しないとあなたに言うことができる。子どもの尿は1,200 mOsm/kgでも正常である。もちろん脱水状態にあるこどもがいる可能性はあるが、特に問題のない健康な子どもの2/3が「異常」と診断される検査はその定義がおかしく、健康の問題ではない。
この神話は止まるところを知らない。ミシェル・オバマの「もっと水を飲もう」キャンペーンにまで使われている。2013年にはホワイトハウスの栄養アドバイザーSam Kassが「アメリカ人は1日の水の推奨摂取量の半分以下しか飲んでいない人が40%もいる」と語った。公式な水の推奨摂取量は存在しない。それは人々の生活や食事により多様である。そして人類の歴史上最も容易に水が入手できる時代と国において、我々全てが脱水状態だというのは単純に事実ではない。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20071221#p21
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20110713#p13
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20110715#p5

  • 飢饉からの解放:Norman Borlaugの物語

Freedom From Famine: The Norman Borlaug Story
August 18, 2015 By Nancy O'Mallon
http://aboutharvest.com/2015/08/freedom-from-famine-the-norman-borlaug-story/
動画56:47と作者へのインタビュー
アメリカ人はこの偉大な人を知らなすぎる、とのこと。
(飢餓の時代が長かったことすら忘れていそうなくらい肥満大国だから?)