食品安全情報blog過去記事

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Fairfaxメディアでのナノテクノロジーの記事

Article on nanotechnology in Fairfax media
17 September 2015
http://www.foodstandards.gov.au/consumer/foodtech/nanotech/Pages/Sydney-Morning-Herald-nanotechnology-response.aspx
9月16日にFSANZはシドニーモーニングヘラルド(SMH)に食品中ナノテクノロジーについて回答した。透明性と、SMHの記事よりも詳細な情報のために回答の全文をここに掲載する。
Q.二酸化チタンやシリカのナノ粒子を食品に使用することに関して重大な懸念を提示したピアレビューのある研究がある。FSANZの見解ではヒトが二酸化チタンやシリカのナノ粒子を摂取しても安全か?その結論はどのような研究や検査に基づく?
・FSANZやその他の国際食品規制機関は二酸化チタンやシリカのナノ粒子を使った食品を口から摂った後の健康影響については何も同定していない。
・もしFSANZが安全でない可能性のある食品や成分に気がついたら、リスク評価を行って適切な管理方法を助言するだろう
・FSANZは国内や国際的研究や製造されたナノ物質の食品に関連した販売などについて積極的に監視している。またナノ物質の使用についても何年も研究している。
・もし新しい根拠で変化が必要だとされたならそのように変えるだろう
・FSANZはナノテクノロジーとその利用について主要毒性学者達にレビューを依頼していて2015年後半から2016年初めに発表されるだろう
・FSANZはナノ物質の吸収、輸送、排泄についての入手可能な情報をレビューしている
Q.これらのナノ粒子がオーストラリアで販売されている良くある食品に使われていることをFSANZは知っているか?あるいはこのような研究結果は驚きか?理由は?
・言及されている添加物にはナノサイズの物質も含まれるだろう、ミルクなどの他の食品と同様に。
・これらの添加物は何十年も世界中の食品に使われてきた
GMPと食品基準に従って食品の加工に二酸化チタンや二酸化珪素を使うことができる
Q.これまでFSANZはナノ物質を含む食品は、認可を申請した企業がないことを根拠にオーストラリアでは販売されていないと主張してきた。そして食品企業で広くナノテクノロジーが使われているという根拠はないと言ってきた。しかしこの研究では明確に食品に二酸化チタンやシリカが使われている。検査して規制すべきではないのか?どうしてしない?
・FSANZはこれまでの研究で食品に使用されている二酸化チタンや二酸化ケイ素にナノサイズのものが一部含まれることが示されていることは知っている。
・しかしFSANZや他の国際食品規制機関は二酸化チタンやシリカのナノ粒子を使った食品を口から摂取することによる健康影響をみつけていない。
・もし健康リスクに気がつけば調査し基準を加えるだろう。
Q. 二酸化チタンやシリカのナノ粒子の使用に関する安全性検査や市販前認可プロセスはどんなものか?一般国民はそれらが安全だと信頼できるのか?
・全ての食品添加物は安全性を評価されなければならない。二酸化チタンや二酸化ケイ素は世界的に多くの食品に長年使用されてきた。
・食品製造業者や販売業者は販売される食品の安全性を確保する義務がある
・FSANZは2008年12月に申請ハンドブックを改訂して食品や成分にナノテクノロジーにより新しい性質が導入される場合には適切な情報を提供するよう求めている
・もし技術的栄養的機能のために、あるいは毒性にとって粒子サイズが問題になるなら情報が提供されなければならない。
Q. これらナノ粒子が人気のある食品から検出されたが表示はされていないことを考えると、FSANZの新しい食品技術規制システムが不適切であるのではないか?理由は?人々は規制機関は有害な可能性のあるナノ物質から守るのに有効ではないとみなすのが正しいのではないか?理由は?
・全ての食品製造・販売業者はオーストラリアで販売されている食品が法に従ったもので食用に適したものであることを確保することが要求される。オーストラリアの食品法は州や地域で執行される。
・FSANZはナノ物質には多様なカテゴリーがあり、意図的に加えられるものや新しい性質をもつものについてはケースバイケースで評価の必要があると認識している。
・ミルクのような食品は天然にナノサイズの構成物を含む。また安全に使用されてきた多数の食品用物質がナノスケールの大きさのものを含むが、それらはナノテクノロジーによって作られたわけではない。これらには一般食品規制が当てはめられる。
・特定のナノ物質によって公衆衛生上の問題があることに気がつけばFSANZは対応する。
ナノテクノロジーは進展途上の科学でありFSANZは安全性について入手可能な全ての根拠を考慮する。
・FSANZは現在のリスク評価の枠組みが新規のナノスケール物質の安全性を評価するのに十分であると考える。これは他の国際機関も同様である。
Q.FSANZはナノ物質が含まれるかどうか食品を検査したことがあるか?
・FSANZは専門家に報告書を依頼中である。現時点では食品のナノ物質を検査することは提案していない。オーストラリアの食品中に一般にナノサイズの物質がどれだけ存在しているかを調べるのに必要な相当な調査や分析のリソースを割くことを正当化する根拠はない
・FSANZは包装にナノテクノロジーを使用しているかどうか企業に使用調査を行っている。現時点では食品包装にナノテクノロジーを積極的に使いたいという報告はない
・FSANZは監視を継続し必要であれば規制枠組みに取り入れる
Q.この結果をもとに、Friends of the Earthがナノ物質を含む食品を全てリコールし、食品へのナノ物質の使用を直ちに中止せよと要求している。FSANZの答えは?
食品には天然にナノスケールの砂糖やアミノ酸やペプチドやタンパク質が含まれる。さらに食品添加物を含む加工食品にはナノスケールの粒子が含まれていて安全に使用されてきた歴史がある。従って「ナノ物質を含む全ての製品をリコール」することが合理的で現実的な対応であるということには合意しない。

シリカ=二酸化珪素

Friends of the Earthの発表はこれ
Independent testing finds illegal and potentially harmful nanoparticles in common food products
17/09/2015
http://www.foe.org.au/articles/2015-09-17/independent-testing-finds-illegal-and-potentially-harmful-nanoparticles-common
Detecting Engineered Nanomaterials in Processed Foods From Australia
Final Report
Preparedby: Robert Reed, Jared Schoepf, Marisa Masles,and Paul Westerhoff
Arizona State University, Tempe,(AZ)
PreparedFor:Friends of the Earth
August 18,2015
http://emergingtech.foe.org.au/wp-content/uploads/2015/09/FoE-Aus-Report-Final-web.pdf
オーストラリアで販売されている、二酸化チタンかシリカを使っている加工食品を14買ってアリゾナ州立大学に運んで透過型電顕で調べた。100nm以下のものがあれば「ナノ物質が入っている」
加工食品って調味料の塩とかコーヒークリームの粉末とかミントキャンディとかスパイスミックスとか、普通に小さいサイズのものもあるでしょうという商品。

報道など
Recall push after nanoparticles found in foods
Thursday, September 17, 2015
http://www.abc.net.au/pm/content/2015/s4314821.htm
FSANZはFoEが間違った情報を広めて人々を誤解させていることに怒っているとも報道している

(面白いからナノサイズのものは全て危険だから食べない、って実行すればいいのに。例えば牛乳をホモジナイズして脂肪滴がナノサイズになったらEngineered Nanomaterials(加工でできたナノ物質)なわけだから危険なんでしょ。)