食品安全情報blog過去記事

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  • あなたは真実を取り扱うことができる?科学と感性についてのいくつかの醜い事実

Can you handle the truth? Some ugly facts in science and sensibility
Tracey Brown Monday 28 September 2015
http://www.theguardian.com/science/political-science/2015/sep/28/can-you-handle-the-truth-some-ugly-facts-in-science-and-sensibility
Sense About ScienceのTracey Brownが英国図書館でレクチャーを行うのに先立ち書いたもの。公共の福祉のためにはエビデンスと説明責任が必要であると主張してきた。しかしどんなに情報があっても、どんなに善意であっても、我々はいろいろな理由で見逃したり過剰見積もりしたり軽視したりすることがある。それが我々全てにとっての醜い事実である。
(略)
Sense About Scienceは科学の間違った提示について取り組むために13年前に設立された。デトックスダイエットや放射線、犯罪政策などの話題について間違った話に混乱させられている人々のために取り組んできた。そして仲間が増えたことは歓迎すべきことである。しかし我々にできることは限られており、より広範な文化の変化が必要である。
そこで我々の中核となるミッションは、間違った情報を正すのではなく、一般の人々が厳しく問いかけ、エビデンスを求め、理解しようとすることを促すように変わってきた。真実は都合の悪いものだったり不確実だったりするしあなたの好きな社会プロジェクトや公衆衛生対策に人々が合意しないかもしれない。しかし我々がエビデンスが無視されない世界を望むなら、世界はそうなるだろう。

  • 健康上の問題と内分泌撹乱化合物の関連が今やさらに強くなったと声明が主張する

ScienceInsider
Links between health problems and endocrine-disrupting chemicals now stronger, statement argues
By Puneet Kollipara 28 September 2015
http://news.sciencemag.org/health/2015/09/links-between-health-problems-and-endocrine-disrupting-chemicals-now-stronger
本日内分泌学会が発表した声明によると、ホルモンかく乱化合物の暴露に関連すると科学者が確信する健康問題は、糖尿病、心血管系疾患、肥満も含むように拡大し、さらに例えごく僅かの用量でも天然のホルモンの作用に干渉するという議論の多い考えを支持する。
しかしこの報告は、2009年に発表した同様の声明を更新したものであるが、化学業界から厳しく批判されている。
この新しい声明では内分泌撹乱物質に関する1300の研究をまとめて、科学者はこれまでになくこれらの物質が既に知られている各種健康問題、生殖や発達、甲状腺障害、ある種の生殖器系のがん、IQ低下などの神経発達上の問題と関連することを確信しているという。しかし今やそれを心臓と体重と糖尿病にも拡大した。
この報告に対してアメリカ化学工業協会は、ある種の化学物質と疾患の関連について幅広く、根拠のない主張をしている、という。EPAなどの規制機関は微量の内分泌撹乱物質が健康上の問題を引き起こすという考えを採用していない。
内分泌学会の要約ではビスフェノールA、フタル酸、PCBなどの難分解性有機汚染物質、ポリ臭化ビフェニルエーテルなどの難燃剤の研究を強調しているが、ほとんどの工業用化学物質は内分泌撹乱性について調べていないと主張する。BPAの代用品として使われる化合物に内分泌撹乱性がある。内分泌研究一般にもっとお金を出すべきだと主張する。
Executive Summary to EDC-2: The Endocrine Society's Second Scientific Statement on Endocrine-Disrupting Chemicals
http://press.endocrine.org/doi/10.1210/er.2015-1093
(より強くより広範に脅迫めいた主張するほどかえってうさんくさくなると思うんですが。肥満も糖尿病も頭の悪さも極微量の化学物質のせいだから金よこせと言われても。環境ホルモン騒動で味をしめたのか、この学会は政治色が強すぎる。自分たちの研究が他のどの分野の研究より大事だと言いたいのは良くあることとはいえ)

German defense minister accused of plagiarism
By Gretchen Vogel 28 September 2015
http://news.sciencemag.org/europe/2015/09/german-defense-minister-accused-plagiarism
剽窃や不正確な引用を洗い出しているボランティアのVroniPlag Wikiが土曜日にドイツ国防相Ursula von der Leyenの1990年の学位論文に盗用を発見したという報告を発表した。67ページの学位論文中27ページに盗用がある。3ページに50-75%が盗用、5ページに75%以上の盗用。Merkelの前閣僚の2人が盗用スキャンダルで辞任している。2011年にKarl-Theodor zu Guttenberg国防相、2013年にはAnnette Schavan教育研究相である。
von der Leyenに医学の学位を与えたHannover医科大学は8月に調査を開始していると言っている。
VroniPlagは最初政治家の学位を主に調査していたが最近は大学の研究者も対象にしている。特に多く標的となっているのは医学で、医学の学位論文は基準が緩いことで有名である。