食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 国際産婦人科団体が有害化合物暴露を減らすためのより大きな努力を強く求める

International OB-GYN group urges greater efforts to prevent toxic chemical exposure
1-Oct-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-10/uoc--iog092515.php
国際産婦人科連合(FIGO)が、過去40年間の有害化合物への暴露の劇的増加がヒトの生殖と健康を脅かしている、という。International Journal of Gynecology and Obstetricsの2015年10月1日号に意見を発表した。農薬、大気汚染、プラスチック、溶媒などの化合物と流産、死産、胎児成長不全、先天異常、神経発達不全や認知機能の低下、がんの増加、注意欠陥、多動が関連するという。屋内屋外の大気汚染や鉛、サハラ以南のアフリカでの労働者の農薬中毒、内分泌撹乱物質暴露による医療費、などを挙げている。
(先進国の話と途上国の話をごっちゃにしているようだが。鉛暴露は相当減らしてきたはずだし。タイトルで↓の話かと思った)

より多くの妊娠女性がアイス依存で助けを求めている
Increasing number of pregnant women seeking help for ice addiction
http://www.abc.net.au/news/2015-10-02/increasing-number-of-pregnant-women-seek-help-for-ice-addiction/6821880
オーストラリア健康福祉研究所(AIHW)の新しい研究によるとアイス(メタンフェタミン)を使ったことのあるオーストラリア人は2倍以上の130万人になった。過去十年でオーストラリアの製造・供給が急激に増加し、特にニューカッスルニューサウスウェールズ市では妊婦の依存が懸念となっており今年の4ヶ月で20人以上の妊婦がニューカッスルの薬物治療センターに助けを求めてきた。

  • オピオイドの誤用が治療用、病気と薬物関連死の拡大の主要因であり続ける

Opioid misuse continues to dominate for treatment use, spread of disease & drug-related deaths
1-Oct-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-10/w-omc092815.php
欧州薬物及び薬物依存モニタリングセンター(EMCDDA)のEU28ヶ国とノルウェーとトルコの薬物需要と供給に関する年次報告書が発表され、Addictionに要約が掲載された。
治療:オピオイドの違法使用が病院の最大の負荷であり続けている
HIVの拡大:注射による薬物使用が感染拡大の寄与因子であり続けている
薬物関連死:国により違うが薬物使用者の死亡原因として過剰使用が主因であり続けている

  • 身長とがんの関連

Link between height and cancer
1-Oct-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-10/bl-lbh092915.php
スウェーデンの男女での長期研究の成果が欧州小児内分泌学会54回年次会合で発表された。1938年から1991年に生まれた550万人の男女で、成人の身長は100cmから225cmの範囲。1958年あるいは20才から2011年までフォローして、身長が10cm高くなる毎に女性では18%、男性では11%がんになるリスクが高い。さらに背の高い女性は乳がんリスクが20%高く悪性黒色腫のリスクは男女ともに10cm高くなる毎に30%高い。
これまでも身長が高いとがんリスクが高いことは知られていたがこのような大規模研究はなかった。今後がんによる死亡率との関係を調査する予定。

  • 乳児用ミルクにはどのくらいの放射能が含まれる?

How much radioactivity is in infant formula?
1-Oct-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-10/mali-hmr100115.php
世界中で製造・販売されている乳児用ミルク検体の放射能を測定した論文がEnvironmental Engineering Scienceに発表され、2015年11月1日まで無料。
14ブランドの粉ミルクの放射性ラジウムカリウム、トリウム、セシウムを測定。
Measurement of Natural and Artificial Radioactivity in Infant Powdered Milk and Estimation of the Corresponding Annual Effective Dose
Uwatse Onosohwo Bemigho et al.,
http://online.liebertpub.com/doi/full/10.1089/ees.2015.0114
平均値は226Ra, 232Th, 40K, および137Csそれぞれ 3.05 ± 1.84, 2.55 ± 2.48, 99.1 ± 69.5, および 0.27 ± 0.19 Bq/kgでフィリピンのLactogenブランドが最も少なくシンガポールのS26 SMA Goldブランドが最も多かった(この製品だけ何故かカリウムが多い)。137Csは実質的にはほぼ不検出であった。
推定平均年間実効線量は1才未満で635.13および1-2才で 111.45 μSv/yearであった。

A natural history of neurons
1-Oct-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-10/hms-anh093015.php
新しい研究によると我々の脳の細胞はお互いに違うゲノムをもつように発達する。Scienceに10月2日発表された研究で、健康な人の脳に相当数の体細胞突然変異があることが初めて示された。単一細胞ゲノム配列決定と厳密なデータ解析技術を用いて取り組んだ結果、最もよく使われている遺伝子に最も変異が多く、各ニューロンには約1500の単一ヌクレオチド変異がある。「あなたが遺伝子のスイッチを入れるたびに少なくともある種のリスクがある」「私は突然変異だらけだが、私は歩き回りとても健康である」
神経細胞は長生きだから蓄積されるのだろうけれど面白い。同じ遺伝子でうまれても経験により性格が変わりうる、のはみんな知ってただろうけれど遺伝子レベルで違うんだ。)

  • 新しい食事ガイドラインは政治に関わりなく持続可能でなければならない

New dietary guidelines must be sustainable, regardless of politics
1-Oct-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-10/gwu-ndg092515.php
Science Expressに10月1日発表された主張。
(持続可能性を正しく評価できるのなら。)