食品安全情報blog過去記事

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論文

Antioxidants cause malignant melanoma to metastasize faster
9-Oct-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-10/uog-acm100815.php
2014年にGothenburg大学のMartin Bergö教授らは抗酸化物質が肺がんの進行を早め悪化させることをマウス実験で示しヒトの細胞で確認したが、今回はScience Translational Medicineに発表した論文で抗酸化物質がマウスの悪性黒色腫の転移を二倍に早めることを示した。また悪性黒色腫の患者の細胞でも確認された。
結論としては抗酸化サプリメントは避けるべきである。
(何をどう使ったのか書いてないプレスリリース)
Antioxidants can increase melanoma metastasis in mice
Kristell Le Gal1 et al.,
Science Translational Medicine 07 Oct 2015:Vol. 7, Issue 308, pp. 308re8
http://stm.sciencemag.org/content/7/308/308re8.abstract
NアセチルシステインとビタミンE類似体のTrolox
この論文には編集者の要約がついている
抗酸化物質にまた打撃
Another strike against antioxidants
http://stm.sciencemag.org/content/7/308/308re8.editor-summary
抗酸化物質はいろいろな食品やダイエタリーサプリメントに含まれしばしばがん予防目的で使われている。しかしたくさんのエビデンスが抗酸化物質はかつて考えられていたほど有用ではないだろうことを示唆している。臨床試験では混合した結果あるいはメリットはない、ということが示され、他の研究では抗酸化物質は肺がんの進行を促進する可能性が示されている。今回Le Gal1らはある種のよく使われる抗酸化物質がマウスモデルで悪性黒色腫細胞の移動と浸潤と転移を早くすることを示した。これは初期の知見で、一般化できるかどうか確認するにはさらなる研究が必要である。しかしながら、この結果は抗酸化物質の使用については、特にがん患者では、注意が必要であることを示唆する。
(普通の人も年をとるとかなりの確率で早期のがんをもってるものなので、ほとんどの人は注意、になる)