食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 母乳に含まれる因子が肥満の伝達に役割を果たしているかもしれない

Factors in breast milk may play a role in transmission of obesity
28-Oct-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-10/uosc-fib102615.php
American Journal of Clinical Nutritionに10月28日発表された南カリフォルニア大学Keck医学部子ども肥満研究センターのMichael Goranらの研究によると、母乳中のヒトミルクオリゴサッカリド(HMO)とよばれる化合物の濃度と6ヶ月の子どもの脂肪の量に関連があった。LNFPIIと DSLNT(ジシアリルラクトN-テトラオース)が多いと約1ポンド脂肪量が多い。LNFP(ラクトN-フコペンタオース)Iが多いと約1ポンド脂肪量が少ない。
6ヶ月母乳で育てている25組の母子の1ヶ月と6ヶ月時点での母乳と子どもの体組成を調べた。
Associations between human milk oligosaccharides and infant body composition in the first 6 mo of life
http://ajcn.nutrition.org/content/early/2015/10/28/ajcn.115.115451.abstract
(たったこれだけの知見なのに肥満予防サプリメントができるかもとプレスリリースで言っていて、アメリカの肥満研究者の闇を感じる。)

  • 一部の市販のコーヒーには高濃度のマイコトキシンが含まれる

Some commercial coffees contain high levels of mycotoxins
28-Oct-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-10/f-sf-scc102815.php
スペインで販売されている100のコーヒーを分析したところカビ毒が確認された。さらにそのうち5つは規制されている唯一のカビ毒であるオクラトキシンの最大許容量を超えた。これらの結果は警告を必要とするようなものではないがコーヒーからのカビ毒暴露のリスク評価を薦める。Food Controlに発表。
検出されたカビ毒はフモニシン、アフラトキシン、トリコテセン類で濃度は0.10 から 3.570μg/kg。オクラトキシンAの欧州規制値はローストコーヒー豆で5 μg/kg、インスタントコーヒーで10 μg/kgであり基準値超過はデカフェコーヒー2検体(6.20および 9.30 μg/kg)、カフェイン入りコーヒーカプセル (6.91および 11.43 μg/kg), デカフェコーヒーカプセル(32.40 μg/kg)。

  • 研究者が「ナチュラル」蚊避けをDEETと比べる

Researchers compare 'natural' mosquito repellents to DEET
28-Oct-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-10/esoa-rc102815.php
ニューメキシコ州立大学の研究者らが市販の10製品の蚊を避ける有効性を調べてJournal of Insect Scienceに発表した。そのうち3製品は有効成分としてDEETを含み4製品はDEETを含まない(ナチュラルとか天然とか宣伝しているもの)。残り3製品は有効成分としてビタミンB1を含む皮膚パッチである。ネッタイシマカAedes aegyptiとヒトスジシマカAedes albopictusの2種で忌避作用を調べたところ、DEETを含む製品では強い忌避作用があったがそのほかについては多様であった。蚊の種類や製品によって作用が全くなかったり有効だったりする。DEETが最も効果的であることが確認された。