食品安全情報blog過去記事

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その他

  • GMOウイルスががん治療試験のために認可された−専門家の反応

SMC NZ
GMO virus approved for cancer trial – Expert reaction
October 29th, 2015.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2015/10/29/gmo-virus-approved-for-cancer-trial-expert-reaction/
環境保護庁が肝がん治療試験のために遺伝子組換えウイルス(Pexa-Vec)の環境放出を認めた。
Pexa-Vecは最初の自己増殖可能な治療用遺伝子組換えウイルスである。環境大臣Nick Smith博士がプレスリリースでこの決定を歓迎している。彼は「我々はGMのような新しい技術は、環境リスクが効果的に管理され明確なベネフィットがあるなら利用すべきである」と述べた。
SMCは以下のコメントを集めた
(いずれも今後ますますこの種のものは増えることを予想している。ちなみにNZはGM作物は栽培していない)

  • はじけたバブル

Natureニュース
Burst bubbles
28 October 2015
http://www.nature.com/news/burst-bubbles-1.18646
二つの医療テクノロジー企業はイノベーションの浮き沈みを描き出す
シリコンバレーから始まった二つの医療技術企業Theranos と23andMeが最近話題になった。どちらもカリスマ女性起業家に率いられシリコンバレーの投資家達の強力な後押しで早くから期待が高かった。しかしその違いからは学ぶことがある。
Theranosはほんの数滴の血液で数百という診断検査ができる医療機器を約束していたが10月16日にWSJがTheranosの技術は見込み通りには働かず、この会社が行っている検査は普通の医療機器を使ったものだと報道した。現在FDAが調査をしている。
23andMeはFDAから医学的診断を含む遺伝子検査を消費者に売ることを禁止された2013年11月にバブルがはじけている。しかし10月21日に遺伝病のキャリアであるかどうかの検査については販売を認められた。23andMeはその科学については常にオープンで研究結果をピアレビューのある雑誌に発表し科学者と協力してきた。一方Theranosはデータについては秘匿し続けた。
23andMeは初期の失敗からの復活は困難な道のりだったと言っている。しかし経験を糧に遺伝子検査を売ることを認められた最初の企業になった。これは真の変化である。新しい検査は前のものより情報が少なく値段も高い。
(こういうひとなのね。
http://www.medwatch.jp/?p=2764

  • R.K. Chandraの乳児用ミルク研究が医学雑誌から取り下げられた

R.K. Chandra's infant formula study withdrawn by medical journal
CBC News Posted: Oct 28, 2015
http://www.cbc.ca/news/health/chandra-rk-bmj-retraction-1.3292833
CBCのドキュメンタリーを巡る名誉毀損訴訟のエビデンスが論文取り下げにつながった
BMJが本日、1989年のRanjit Kumar Chandra博士の論文を取り下げると発表した。
Chandraの非常に影響力のあった論文は、家族歴からアトピー性皮膚炎になるリスクの高い乳児での、母乳と乳児用ミルクの影響を調べたもので、その結論では母乳を与えている女性はアレルギー源となりやすい食品を避けるべきでミルクを与えている場合には加水分解タイプのミルクを与えるべきだと結論していた。ニューファウンドランドメモリアル大学が1995年にChandraの研究について調査を行い、「Chandra博士による科学的不正が行われていた」と結論したが大学は調査結果を公表せず雑誌にも警告しなかった。
CBCテレビのThe Nationalが2006年にThe Secret Life of Dr. Chandraという3部からなるドキュメンタリーを放送し、その後ChandraはCBC名誉毀損で訴えた。この夏、裁判所がドキュメンタリーは事実だと判断し、BMJは裁判で証拠として提出された大学の内部調査報告書を入手した。
Chandraの研究助手の看護師Marilyn HarveyはCBCに対してその時「データは全て彼が解析し、私達がデータを集める前なのに論文を出していた」。BMJは論文取り下げの理由を「テレビ番組と裁判でChandraの仕事は信用できないという確かな証拠があるから」と言っている。
大学は過去の不正を無視した
Chandraの論文が取り下げられたのはこれが初めてではない。最初の不正はChandraが特許をもつビタミン錠剤についての不正で、それを大学は無視した。
中略
取り下げられた論文は100回以上引用されていた。
以下略

(この「100回以上引用」の中には日本語はカウントされていないと思うけれど
この人の論文は役所の文書にも多数引用されているし
離乳 - 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17c.pdf
こんなところにも出てきていて
http://www.aiiku.or.jp/aiiku/jigyo/contents/kaisetsu/ks0809/ks0809_3.pdf
母親の食事制限を後押ししたと思われる。今のアレルギー予防のための助言は逆で、避けないなんだけど。酷い話、全くのでっち上げだったようだ)