食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 科学的手法:予期せぬことの物語

Nature書評
Scientific method: Tales of the unexpected
Nature 526, 638–639  (29 October 2015)
http://www.nature.com/nature/journal/v526/n7575/full/526638a.html
Helga Nowotnyの本、「不確実性の狡猾The Cunning of Uncertainty」のStuart Firesteinによる書評
科学者にとって不確実性は普通のことである。実験はよくわからないからやり(そうでなかったら何故実験する?)、成功したところでその結果からはある程度の確実性しか得られない。しかし実験室の外では不確実であることはネガティブに受け取られる。社会科学者のHelga Nowotnyはこの本でこの現象について探っている−研究者個人にとって、研究インフラや社会にとっての意味を。Nowotnyは不確実性とつきあうことは集団的に達成されなければならないと明言する。そうでなければ科学コミュニティがエリート集団となり疑惑や不信を向けられ存続を危うくする。
Nowotnyが社会科学から多くの事例を示したように、社会の不確実性への誤解が混乱を招き科学を歪め科学の政治問題化につながっている。例えばタバコや気候変動についての議論のように。科学が強固で動かし難いかちっとした事実を提供するという間違った想定をしているために何十億ドルという公的及び民間資金が研究に注ぎ込まれた。この態度は科学を覚えるべき膨大な「事実のかたまり」として教え、科学は疑問を持つことではなく答えについて言うのだという一般的な信念を作る教育システムにより強化されている。
Nowotnyは素晴らしくも公共の場に不確実性を巡る不確実性についての議論を持ち込んだ。
私は最初「狡猾」という単語の使用にとまどったが、それは核心をついている。不確実性には二重の意味があり、それは創造性の余地であり不安に満ちてもいる。
(略)
この本の多くの章のなかで私のお気に入りはリスクへの公衆の態度についてのものである
(略)
確実に言えることは、どこであろうとデマゴーグや独裁者は近くにいる。ノーベル賞受賞者のフランス人作家André Gideは、我々は真実を探そうとしている人を信用すべきで、真実を発見したと言う人は疑うべき、と助言している。

  • 生命医学研究の再現性を上げるには

Natureニュース
How to make biomedical research more reproducible
Daniel Cressey 29 October 2015
http://www.nature.com/news/how-to-make-biomedical-research-more-reproducible-1.18684
科学における再現不可能性についての英国報告書について神経心理学者Dorothy Bishopが語る

Science insider
NIH refocuses research into chronic fatigue syndrome
By Jon Cohen 29 October 2015
http://news.sciencemag.org/health/2015/10/nih-refocuses-research-chronic-fatigue-syndrome
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)に対して研究者が注目していないという批判が増加し米国NIHが原因と治療を探る努力を増やすと発表した。この分野は声の大きい活動団体があって「騒々しい」研究分野であるため、研究者は避けていた。多くの研究者にとって「多分解決できない問題だから他の分野を研究しよう」という態度が主で、それに強く対抗する、とNIHのFrancis Collins所長がScienceに語った。

  • たちの悪いMDMAや強力なキノコによるトリップの報告が増加しているためハロウィーンの警告を促す

Increased reports of bad MDMA, strong mushroom trips prompt Halloween warning
Oct 29, 2015
http://www.cbc.ca/news/canada/ottawa/increased-reports-of-bad-mdma-strong-mushroom-trips-prompt-halloween-warning-1.3294001
オタワ公衆衛生省、警察、医療従事者、病院が人々に対してこのハロウィーンのパーティーの安全性を呼びかけている。特に違法薬物MDMAの質の悪いバージョンや異常に強力なマジックマッシュルームの報告が増えている。
毎年オタワの病院はハロウィーン周辺にアルコールや薬物に関連した救急の急増が観察される。

  • 女性の死亡がクライオセラピーの安全性に懸念を惹起する

Woman's death raises cryotherapy safety concerns
October 29, 2015,
http://www.cbsnews.com/news/womans-death-raises-cryotherapy-safety-concerns/
ラスベガス警察がクライオセラピーチャンバーの中で死亡していたスパ従業員の死亡について捜査を再開すると言った。さらに州とこの24才の女性の家族がクライオセラピーについて独自調査をすると発表した。
警察は先週疑わしいところはないとして捜査を打ち切っていたが水曜日に殺人ユニットがレビューをすると発表した。犯罪だという根拠はなく新しい事実が発見されたわけではない。他の機関から問い合わせがったため。
同日ネバダの規制機関がクライオセラピー装置を販売していた業者が顧客の安全対策をしていたかどうかについてレビューすることを決定した。
このますます広まっているが規制されていない治療法は、人々を短時間零度以下の温度に晒すものである
問題のクライオセラピーチャンバーは若返りスパで使われていたもので華氏マイナス200度からマイナス240度の間(-150℃くらい)にする。通常の体温は98.6度。
若返り療法は30分で約100ドルで売られていた。
(これか
http://matome.naver.jp/odai/2142540371304161801
アンチエイジングとかって変なものばっかり売っている)