食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • 21世紀の白人非ヒスパニックアメリカ人中年の死亡率と有病率の増加

Rising morbidity and mortality in midlife among white non-Hispanic Americans in the 21st century
Anne Case and Angus Deaton
http://www.pnas.org/content/early/2015/10/29/1518393112
1999年から2013年の間に米国の中年白人非ヒスパニックアメリカ人男女の全原因による死亡率が増加した。このような傾向は他の豊かな国では見られない。白人の死亡率増加の主な原因は薬物とアルコール中毒、自殺、慢性肝疾患と肝硬変による死亡である。全ての教育レベルで増加しているが特に教育レベルの低い層で顕著である。経済的原因の可能性についてコメントする。
(全体としては死亡率も減り平均寿命も延びている中でのことなのでこの世代の危機が目だつ)

  • メニューにカロリーが表示されているレストランは表示されていないレストランよりカロリーが低い

Restaurants With Calories Displayed On Menus Had Lower Calorie Counts Compared To Restaurants Without Such Labels
Sara N. Bleich et al.,
Health Aff November 2015 vol. 34 no. 11 1877-1884
http://content.healthaffairs.org/content/34/11/1877.abstract

  • 5年後:ニューヨーク市のカロリー表示に関心は薄れ、購入するカロリーに変化はない

Five Years Later: Awareness Of New York City’s Calorie Labels Declined, With No Changes In Calories Purchased
Jonathan Cantor et al.,
Health Aff November 2015 vol. 34 no. 11 1893-1900
http://content.healthaffairs.org/content/34/11/1893.abstract
4つのファストフードチェーンの顧客の行動について2008年と2013-14年を比較した。カロリー表示を利用すると答えた人の割合は低下し、それでもベースラインよりは高い。ただし購入する食品のカロリーやファストフードレストランに行く回数には差はない。
2016年から全国でファストフードチェーンのカロリー表示が義務化されるがまだ効果が証明されていない戦略のままである。表示以外の追加の政策を検討する必要がある。