食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 2015 John Maddox賞受賞者

Senseaboutscience
Winners of the 2015 John Maddox Prize for standing up for science announced
3 November 2015
http://www.senseaboutscience.org/news.php/463/winners-of-the-2015-john-maddox-prize-for-standing-up-for-science-announced
Edzard Ernst名誉教授とSusan Jebb教授
Ernst教授は補完代替医療に科学的手法を採用することについて長く活動してきた。研究室や雇用を脅かす(チャールズ皇太子からの!)個人攻撃にも関わらず続けてきた。
Susan Jebb教授は栄養に関する多様な問題について一般の人々の理解を進めようと活動してきて砂糖についての誤解を正すと企業からお金をもらっているのだという個人攻撃を受けてきたが耐えて活動を続けている。
(どっちも有名人なので、これは励ましの意味が大きいのかな)

More Chipotle E. Coli cases confirmed in Ore.,Wash.
Aamer Madhani, USA TODAY November 3, 2015
http://www.usatoday.com/story/money/2015/11/03/chipotle-e-coli-washington-oregon-lawsuit/75095214/
オレゴン州ワシントン州でファストフードレストランチェーンChipotle に関連した大腸菌食中毒患者3ダース以上が確認された。
またワシントン州バンクーバーのChipotleでブリトーボウルを食べて感染した女性がChipotleを訴えた。
(さすがに短期間に3回だと大きなニュースになる

  • ガムの甘味料がイヌの中毒事故増加原因

Sweetener in gum is causing surge in accidental dog poisonings
November 03, 2015
http://www.foxnews.com/health/2015/11/03/sweetener-in-gum-is-causing-surge-in-accidental-dog-poisonings.html
Tonia CoxはシュガーレスチューインガムがイヌのMurphy Joを殺すところになるとは思わなかった。イヌはカウンターにあった息子のアイスブレーカーズガムを落として約20個飲み込み、その後吐いて昏睡状態になった。犯人はキシリトールで、ヒトには安全でよく使われるようになったがイヌには極めて有害で、動物の中毒情報センターによると近年イヌの中毒件数が急増している。ペット中毒情報センターのAhna Brutlag博士によると彼女のセンターで受け付けたキシリトール中毒に関する電話は2009年は300だったのに今年はこれまでで2800件になっている。どのくらいのイヌがキシリトールで死亡しているのかについての包括的データはない。一部のペットオーナーはキシリトールを含む製品に警告表示を求め、オレゴのンペット団体がオンライン署名を集めている。しかし中毒専門家はそれは現実的ではないと考えている。犬のオーナーへの教育が最良だろう。

  • Summer Steerの電池による死:検察医はNoosa病院の対応を批判

Summer Steer battery death: Coroner slams Noosa Hospital response
November 3, 2015
http://www.brisbanetimes.com.au/queensland/summer-steer-battery-death-coroner-slams-noosa-hospital-response-20151103-gkq13d.html
ボタンサイズのリチウム電池を飲み込んで死亡した4才の少女の件でクイーンズランドの検察医が病院の対応を不適切とした。また製造業者に対してより安全な電池と子どもが外せないような電池容器を開発するよう薦めた。
Summer Alice Steerは2013年6月に電池を飲み込んで食道に詰まった。血を吐いて病院に行ったが病院は鼻血だとして15分で返した。しかしその後も何度も血を吐き状態が悪化して再び病院に行ってX線検査をしたところ2cmのボタン電池を食道に発見した。

  • Grande Prairieの別のハロウィーンキャンディーバーから錠剤がみつかった

Pill found in another Halloween candy bar in Grande Prairie
CBC News Posted: Nov 03, 2015
http://www.cbc.ca/news/canada/edmonton/pill-found-in-another-halloween-candy-bar-in-grande-prairie-1.3302751
火曜日にカナダ連邦警察(RCMP)がスニッカーズミニキャンディーバーに錠剤が挿入されていたという苦情を受け取ったと報告した。ある男性がバーを囓って錠剤を半分食べ、残りの半分がお菓子に差し込んであるのに気がついた。包装は一度開けて再びシールされていたようだ。男性は念のため病院に行った。錠剤が何かはまだわかっていない。
この事例はLloydminsterでおこった事例と類似している。合計5件のハロウィーンキャンディへの異物混入苦情が寄せられ、うち3件は錠剤であった。全ての事例を捜査中。
こどもが病気になったという報告はない。警察は保護者にハロウィーンのお菓子は全てよく見て疑わしいものを発見したら警察に知らせるよう要請している。また警察はこの件についてソーシャルメディアに多くの投稿があることに触れて、ソーシャルメディアは誠実に使用するよう強調する。根拠のない主張を拡散しないように。

  • 遺伝子組換えを再定義する−専門家の反応

SMC NZ
Redefining genetic modification – Expert reaction
November 4th, 2015.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2015/11/04/redefining-genetic-modification-expert-reaction/
環境保護局が何がGMOで何がそうでないのかについての混乱をクリアにするための規制の見直しを計画している。
現在の法では広く使われている作物が、ニュージーランドでは何十年も栽培されているにも関わらず、作られた方法をもとに「遺伝子組換え」とみなされる。
提案された改正案ではこれまで行われてきた化学物質や放射線処理を用いた交配は遺伝子組換えとはみなさないと明示する。この問題は昨年のGMOの定義に関する議論の多い判例によりもちあがった。
(以下略。異なる解釈が可能な条文になっていたと)

  • 反科学活動家はGMO人間を将来どう扱うか?

How Will Anti-Science Activists Treat GMO Humans Of The Future?
By Nicholas Staropoli | November 2nd 2015
http://www.science20.com/nicholas_staropoli/how_will_antiscience_activists_treat_gmo_humans_of_the_future-158762
1970年代に科学者はヒトインスリン酵母や細菌細胞で作れるように遺伝子を組換え、インスリンを動物の臓器から作る必要がなくなった。これは科学の革新でこのGMOインスリンで恩恵を受けている人たちは2世代にわたる。
2012年にGeneral MillsがCheeriosのファンに向けてFacebookで宣伝をしたところ反GMO活動家からの大量の批判を浴びキャンペーンを乗っ取られGeneral MillsのFacebookが反GMOサイトになった。Cheeriosはオート麦からできていてGMOオート麦は存在しないのでCheeriosにはGMOが含まれないのにも関わらず「家には入れない」「子どもには食べさせない」などのコメントであふれかえった。
遺伝子治療が実現しようとする時代に、これらの人々を反GMO活動家はどう扱うのだろう?
(リンクは過去の反GMO活動家のGMOインスリンを恐怖の遺伝子組換えと宣伝して糖尿病患者を怖がらせた事例
http://www.geneticliteracyproject.org/2014/07/01/anti-gmo-advocates-try-to-scare-diabetics-off-life-saving-genetically-engineered-drug-treatment/
医療用だと組換えも放射線滅菌も普通だし活動に使うのは反GMの欺瞞が明らかになるだけで悪手だという認識があるものだと思っていたが。理性のある人はいないから何でもいいということ?)

  • どうしてコーヒーやベーコンが発がん物質なのか

Slate
How Coffee Became a Carcinogen
Oct. 30 2015 By Geoffrey Kabat
http://www.slate.com/articles/health_and_science/medical_examiner/2015/10/coffee_does_not_cause_cancer_the_who_is_wrong.html
今週のWHOの加工肉と赤肉のヒト発がん物質への分類のニュースが、再び一般の人々にこの種の科学的知見を伝えるのがどんなに難しいかについて注目させた。さらにWHOの発がん物質分類計画のゆがみや混乱も明らかにする。他にIARCのラウンドアップや携帯電話からの「放射線」の分類も科学者と人々の両方を混乱させた。これまでIARCは何年にもわたり約1000のものを評価してきたが、おそらく発がん性がないだろう、というグループ4に分類されたのはたった一つしかなく、実際にはIARCの計画はある物質を発がん物質ではないだろうと宣言することはない。加工肉のグループ1分類への混乱はこれが喫煙や飲酒やアスベストと同じだとされたことで、これは加工肉を食べることが喫煙と同じくらい危険だということを意味しない。この誤解と混乱の他にもIARCの科学的根拠が怪しい判断もある。例えばコーヒーである。
1991年にIARCはコーヒーを「ヒト膀胱がんへの発がん性の可能性がある」(グループ2B)と分類した。この結論は当時入手可能だった限定的根拠をレビューしたもので「コーヒーと膀胱がんに一貫して弱い正の関連があるがバイアスか交絡による可能性がある」としている。(以下コーヒーの研究の紹介、略)多くの研究のメタ解析ではコーヒーはいくつかのがんのリスク削減と関連している。このIARCのコーヒーの分類とその後更新されていないことは発がん物質分類計画の大きな問題を象徴する。IARCはネガティブな結果よりポジティブな結果を重く見る。そのようなマインドは何でも発がん物質に分類する傾向を生み出す。2011年にIARCが携帯電話をグループ2Bに分類したとき、生物統計学者のDonald Berryは「何だって発がん性がある可能性がある」とコメントしている。

  • 発がん性についての難しい問題:何故我々はグリホサートを恐れるのにベーコンを愛するのか

Carcinogenic conundrum: Why we fear glyphosate but love bacon
David Ropeik | November 3, 2015
http://www.geneticliteracyproject.org/2015/11/03/carcinogenic-conundrum-fear-glyphosate-love-bacon/
GLPはニュースや意見や解析の多様性を反映する記事をまとめている。
一部のみ抜粋
しかし最近の肉とがんの話については、リスクを全体として見ることとIARCの分類システムの説明の他に、もう一つの重要な問題がある。なぜ一部の発がん物質は実際にがんを誘発する可能性の数字とは関係なく他の発がん物質より我々を怖がらせるのか?
リスク認識のパイオニアであるPaul Slovicはそれを「リスクは感覚である」と言う。事実だけに基づくのではなく、どう感じるかによる。
問題は情動に基づいてリスクに対応すると、実際にはより危険性を増す選択をする可能性があるということである。

The American Scheme:Herbalife’s Pyramid ‘Shake’down
October 2015
State Senator Jeff Klein &Public Advocate Letitia James
http://www.mlmwatch.org/04C/Herbalife/klein.pdf
ニューヨーク州議員Jeff Kleinとニューヨーク市の公共提唱者Letitia Jamesによるハーバライフの被害者56人と60のクラブの詐欺的行為の調査報告。
2004年から公式に苦情を申し立てたのが56人で、多くの被害者は家族や友人を裏切ることになるのを恐れている。56人の報告した損失は合計100万ドルで90ドルから10万ドルまでで平均2万ドル。月に2万ドルの利益があると言われたが実際にロイヤリティを受け取ったのは8人のみで平均100ドル。
通常ハーバライフの勧誘はディストリビューターが家族や友人を減量やストレス管理やその他の健康に関するサプリメントを試してみないかと誘うところから始まる。「栄養クラブ」やディストリビューターの家に誘われて行くと約6ドルで3つのハーバライフ製品を購入させる。「消化管をきれいにするアロエドリンク」「脂肪をカットするお茶」「一日に必要な栄養素を含むシェイク」。そして如何にそれで病気が良くなるか等の話をする。それからビジネスの話をする。
覆面捜査員が「栄養クラブ」に侵入して実情を調べている。

  • 先の米下院議員でワクチンの敵のDan Burtonは今はサイエントロジーのためにロビー活動をしている

Former U.S. Rep. Dan Burton, Vaccine Foe, Now Lobbying For Scientology Outfit
Oct 21, 2015  Emily Willingham ,
http://www.forbes.com/sites/emilywillingham/2015/10/21/former-u-s-rep-dan-burton-vaccine-foe-now-lobbying-for-scientology-outfit/
下院議員だったときはワクチンに含まれる水銀が自閉症の原因だという説を受け容れさせるために20回以上のヒヤリングを開催したDan Burtonが、サイエントロジー教会の設立した人権市民委員会(CCHR)のロビイストとして活動している。サイエントロジーの精神医学否定の教義にワクチン否定が共鳴したため。
(こんなのが
ttp://www.scientologynews.org/press-releases/epic-scientology-summer-continues-with-opening-of-tokyo-ideal-org.html?locale=ja)