食品安全情報blog過去記事

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論文

Insufficient evidence for the use of omega 3 supplements in treating depression
4-Nov-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-11/w-ief110415.php
コクランレビュー。
オメガ3脂肪酸は広く健康によいと考えられていて世界的にサプリメントとして宣伝されている。特に過去10年で急増した。1458人の参加する26のRCTのデータを集めたコクランレビューでは、オメガ3脂肪酸プラセボに比べるとほんの少しポジティブな影響があったがその影響の大きさは、鬱の人にとっては意味がありそうにない。

  • 腫瘍に変わる条虫

The tapeworm that turned into a tumour
Ewen Callaway 04 November 2015
http://www.nature.com/news/the-tapeworm-that-turned-into-a-tumour-1.18726
変わった症例研究が、如何にして条虫感染からがん細胞が生じたかを報告する
New England Journal of Medicineに発表された症例報告。コロンビアの男性に条虫が感染し彼の体内に悪性の細胞を増やし進行性のがんのように拡散した。これが初めてではなく2013年にCDCが調べている。
Hymenolepsi nanaは普通はひも状になるがこの細胞は小さな変わった形のものでがんのように正常組織に浸潤する。この条虫細胞は、ヒトでは腫瘍に関連する特定の遺伝子の変異をもっていた。条虫由来腫瘍について十例ほどの報告をしているロンドン自然史博物館の発生寄生虫学者Peter Olsonは悪性に変異した条虫の幼生と考えている

  • ビーバーのダムが下流の水銀濃度を増やす

Science SHOT
Beaver ponds boost mercury levels downstream
By Emily DeMarco 4 November 2015
http://news.sciencemag.org/chemistry/2015/11/beaver-ponds-boost-mercury-levels-downstream
スウェーデンの科学者が、ビーバーが川の流れを堰き止めて作る池が、夏に、下流メチル水銀濃度をバックグランド濃度の3.5倍にまで増やすことを示した。Environmental Science & Technology。ただし増加は一時的で水銀をメチル化する細菌は最終的には餌が無くなっていなくなるようだ。

  • マルチレベル組換えがトマトのフェニルプロパノイド化合物生産を促進する

Multi-level engineering facilitates the production of phenylpropanoid compounds in tomato
Nature Communications 6, Article number: 8635
Yang Zhang et al.,
http://www.nature.com/ncomms/2015/151026/ncomms9635/full/ncomms9635.html
フェニルプロパノイド合成に関与する複数の因子を修飾することによりトマトの果実に大量のフェニルプロパノイド(クロロゲン酸、フラボノール、アントシアニン)を含むものができた。レスベラトロールは普通のトマトの10倍、ゲニステインは豆腐などの100倍、など。