食品安全情報blog過去記事

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主任科学アドバイザーのアクリルアミドについての報告書発表

Chief Scientific Advisor's Report on acrylamide published
4 November 2015
http://www.food.gov.uk/news-updates/news/2015/14655/chief-scientific-advisor-s-report-acrylamide
主任科学アドバイザーGuy Poppy教授の定期科学更新シリーズの2番目として新しい科学報告書を発表した。今回は食品の化学リスクに焦点をあてた。
主要テーマはアクリルアミドで、最初どうやって同定され消費者へのリスクはどんなものでFSAや企業はどう対応しているかについて報告している。
Chief Scientific Advisor’s Science Report
http://www.food.gov.uk/sites/default/files/csa-acrylamide-report.PDF
最初の報告書は微生物に関するもので今回は化学物質。写真はコーヒー。
アクリルアミドについては
アクリルアミドとは何で、何故アクリルアミドが食品中に存在するのか?
調理の時間と温度が生じるアクリルアミドの量を決める−黒焦げのトーストの写真
ヘモグロビンに結合したアクリルアミドの平均レベルは喫煙者で非喫煙者の3-4倍
主な摂取源はコーヒー、シリアル、パン、ポテト製品
企業の対応としてフレンチフライについて紹介。還元糖の少ないジャガイモの品種を選ぶ、保管には温度管理をして糖ができないようにする、切った後水につけるなど。
また2004年以降商品の調理目安温度を下げている
他に代用塩としての塩化カリウムについての助言を紹介

また家庭での調理の際のアクリルアミドの生成についての新しい研究結果も発表した。
その結果として消費者はしばしば商品に書いてある推奨調理温度を守らず、一部の人はアクリルアミド摂取量が多い。また家庭用オーブンの温度は信頼できない。さらに消費者はアクリルアミドのリスクについての認知度が低い
Acrylamide in the home:Home-cooking practices and acrylamide formation
http://www.food.gov.uk/sites/default/files/acrylamide-in-home-report.PDF
ジャガイモを冷蔵庫で保管する人は少ない(アクリルアミドにとってこれは○)、ベイクドポテトは作る前に茹でているので○、家庭で切ったイモは厚いので表面積の割合が少なく○、といったかんじ。ポテトやトーストの写真があって面白い
ローストポテトとフライドポテトとトーストしかないのだけれど