食品安全情報blog過去記事

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フィンランドの子ども達の重金属の食事からの摂取量は減少傾向

Dietary intake of heavy metals by Finnish children on the decrease
06.11.2015
http://www.evira.fi/portal/en/food/current+issues/?bid=4407
EVIRAの行った研究によると子ども達の食品からの重金属の摂取量は、同じ年の両親より少ない。しかしながら1、3、6才の子どもの一部の摂取量はまだ現在の意見で安全とみなされる量を超えている、2008年以降カドミウム、鉛、ヒ素の安全とみなされる摂取量が引き下げられたためである。食品に含まれる有害な可能性のある物質による影響を避けるための最良の方法は、多様な食品を食べることである。
この研究はPirkanmaa地域で集めた食品摂取データと食品の対照検体に基づき、EFSAによる先の推定より低い。しかしカドミウムの摂取量はフィンランドの子ども達の相当な割合が安全レベルを超えている。ただし年齢とともに超過部分は小さくなっていく。また一部の子ども達でヒ素と鉛の暴露が安全基準を超えている。水銀はほぼ全ての子どもで安全レベルである。
今日の子ども達の食品由来重金属暴露量は彼らの親世代より少ない。例えば鉛は無鉛ガソリンへの変更などで食品中の量が減っている。
初めて複合影響を検討した
有害重金属は環境やヒトの活動に由来して食品に入る。最も最近の研究では重金属の毒性はこれまで考えられていたより大きい。EVIRAは1、3、6才の子どもの食品と飲料水由来カドミウム、鉛、ヒ素、水銀の暴露量を推定した。初めてこれらの重金属の複合暴露の影響も評価した。
特定の食品群を避けることによりカドミウムと鉛の暴露量を下げることは難しい。それらはほぼ全ての製品に含まれる。カドミウム穀物に多いわけではないがの主な摂取源は穀物である。暴露を減らすには食事には多様な穀物を含むべきである。
新しい助言は必要ない
子どものヒ素の主な暴露源はコメベースの食品である。コメは食事から完全に排除する必要はないがコメの一部を他の穀物やジャガイモに代えることで暴露が減らせる。EVIRAは6才未満の子どもの単独の飲料としてライスミルクは勧めない。現在の魚摂取助言は水銀暴露の安全性を確保する。リスク評価に基づき、EVIRAは新しい助言は必要ないと判断した。
多様な食事がリスクを減らす
食事の多様性が無いことは栄養面でも安全性でもリスクとなる。様々なものからなる多様な食事で適切な栄養を確保できる。そして多様性が高ければ有害重金属の害のリスクも減らせる。
報告書
http://www.evira.fi/portal/en/about+evira/publications/?a=view&productId=426
(英語じゃなかった 読めない)