食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

何故FDAが実験室開発検査を監視すべきなのか

Why FDA Should Oversee Laboratory Developed Tests
Posted on November 16, 2015 by FDA Voice
By: Peter Lurie, M.D., M.P.H.
http://blogs.fda.gov/fdavoice/index.php/2015/11/why-fda-should-oversee-laboratory-developed-tests/
本日FDAはある種の実験室開発検査(LDTs)−特定のラボでデザインされ製造され使用されている検査−による患者や公衆衛生への実害や害となる可能性について描き出す報告書を発表した。
1970年代に医療機器改正法でFDAが医療機器を規制するようになったとき、我々はLDTは比較的単純な検査を希な病気で使う場合に限られていたので規制対象とはしなかった。しかし時代は変わった。LDTは複雑になり、がんなどの良くある重大な病気の診断にも使われるようになり、患者への影響も大きくなった。しかし規制はなくFDAが正確性や信頼性をレビューすることはほとんどない。また有害事象データベースに問題が報告されることもない。しかしながらFDAは公になっている情報をもとに全部で20のケーススタディを行うことができ、それはLDTの監視の欠如が患者に相当な害をもたらしている、あるいはもたらす可能性があることを示した。
あるものは患者が病気でないのに陽性の結果を出し、患者は不必要な治療を受け真の病気への治療が遅れる。逆に病気があるのにないという偽陰性の結果を出すものもある。偽陽性偽陰性の両方の結果をだすものもあり、例えば正常妊娠の女性が偽陽性の胎児染色体検査で中絶を選んだり偽陰性で予期しない遺伝病の子どもを出産したりする。
そしてその監視の欠如によるコストは驚くべきものである。CAREクリニックの自閉症バイオマーカー検査だけでもFDAの経済学者は6610万ドルの公衆衛生上の費用負担になっていると推定している。
FDAはLDTへの監視強化を提案している。

The Public Health Evidence for FDA Oversight of Laboratory Developed Tests: 20 Case Studies
http://www.fda.gov/downloads/AboutFDA/ReportsManualsForms/Reports/UCM472777.pdf
ライム病診断検査、卵巣がんの血液や唾液での検査、百日咳PCR検査、乳がんPCR検査、母親の血液による胎児の検査、繊維筋痛症検査、がんバイオマーカー検査、慢性疲労症候群検査、自閉症バイオマーカー検査、重金属キレート負荷検査、など20種類