食品安全情報blog過去記事

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論文

Higher levels of Fukushima cesium detected offshore
3-Dec-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-12/whoi-hlo120315.php
米国西海岸の福島原子力発電所事故による放射能拡散をモニタリングしている科学者がサンフランシスコの1600マイル西の沖合が一番放射性セシウム濃度が高く、1m3あたり11ベクレルだったことを報告した。これは西海岸での測定値より50%高いがEPAの飲料水安全基準の500分の1以下である。2015年12月14日のサンフランシスコでのAmerican Geophysical Union会議で発表予定

  • 州の魚摂取助言はしばしば連邦助言に従っていない

States' fish consumption advisories are often not in line with federal recommendations
2-Dec-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-12/w-sfc120215.php
釣った魚のメチル水銀に関する助言で、EPAの助言と異なる場合が最大65%。Environmental Toxicology & Chemistryに発表。
(魚のサイズに関する助言。釣った魚に関してはFDAは関係ないのでEPAによる助言のみが適用される。)

  • アクリルアミドを付け合わせたフライ

Fries with a side of acrylamide
2-Dec-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-12/asoa-fwa120215.php
140以上のジャガイモの品種を評価して美味しくてアクリルアミドの少ないフレンチフライができる品種を同定しようとした。最も好ましい性質だったのはPayette Russet と Eastonであった。Crop Scienceに発表。

  • NYUの研究は高校生のヘロイン使用者の3/4は処方オピオイドから始めていることを発見

NYU study finds 3/4 of high school heroin users started with prescription opioids
3-Dec-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-12/nyu-nsf120315.php
処方オピオイドの医療目的ではない使用がますます大きな問題になってきている。これまでヘロインなどの薬物使用のリスクが低かった集団−女性、白人、高所得層が使用するようになってきている。Drug and Alcohol Dependenceに発表された研究によると、学生の12.4%が医療目的ではないオピオイドの使用経験があり、1.2%はヘロイン使用経験がある。オピオイドの使用頻度が高ければ高いほどヘロイン使用が増加する。ただしオピオイドからヘロインに移行するのは主に白人で、黒人やヒスパニックは最初からヘロインを使う可能性が高い。

  • 世界では10人に1人が食品由来疾患に苦しむ、WHOの研究

One in 10 globally suffer from foodborne diseases, WHO study finds
3-Dec-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-12/uof-oi1120315.php
フロリダ大学の研究者らによるWHO委託研究によると世界では毎年10人に1人が食中毒に罹患し子どもと貧しい人が最も多い。PLOS Collectionに発表。5才以下の子どもは人口の9%なのに被害者の40%を占める。
ハザードとして考慮された31のうち最も頻度が高いのはノロウイルスカンピロバクター
WHO Estimates of the Global Burden of Foodborne Diseases
http://collections.plos.org/ferg2015
ほとんど微生物なのだが化学物質もある
World Health Organization estimates of the global and regional disease burden of four foodborne chemical toxins, 2010: a data synthesis [version 1; referees: awaiting peer review]
http://f1000research.com/articles/4-1393/v1
とりあえずキャッサバのシアン、アレルゲンとしてのピーナッツ、アフラトキシンダイオキシン
残留農薬食品添加物もハザードの候補としては挙げられているが他のものに比べると全然問題にならないので外されている。重金属などは続報で。
ダイオキシンの評価はちょっとどうかと思う
周産期ダイオキシン暴露で甲状腺機能低下と男性不妊がおこると想定しているが・・)

世界の食品由来疾患負担
Global burden of foodborne diseases
http://www.who.int/foodsafety/areas_work/foodborne-diseases/ferg/en/
(日本は化学物質由来の損失はゼロと評価されている。この方法だとそうなるけど)

  • サイズを小さく:肥満対策としてサイズを小さくする政策選択肢

Downsizing: policy options to reduce portion sizes to help tackle obesity
Theresa M Marteau et al.,
BMJ 2015;351:h5863
http://www.bmj.com/content/351/bmj.h5863
過去50年、一回提供量や包装単位、食器のサイズが増加している。最近の我々のコクランレビューでは人々は大きなサイズで提供された場合食品や非アルコール飲料をより多く食べることが示されている。食事から大きなサイズのものを排除すると英国成人で12-16%、米国成人で22-29%一日の平均エネルギー摂取量が減ることが示唆されている
(1993年から現在、1950年代から現代までにどれだけ一食分のサイズが大きくなったかの図がある。英国のデータでポテトチップは1993年は一袋100gだったのが今は150g。日本は昔の方が多かったような・・・最近ファミリーサイズとか見るけど。)