食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 認識の危機

Perils of Perception 2015
2 December 2015
https://www.ipsos-mori.com/researchpublications/researcharchive/3664/Perils-of-Perception-2015.aspx
認識は事実ではない:世界は何を間違っているのか
自分たちの国についての実際と認識の違いを数値化して「無知指数Index of Ignorance」を導出している。33ヶ国で調査し28ヶ国をランキングしている。メキシコが最も不正確で韓国が最も正確。日本は真ん中ぐらい
項目ごとに偏りがあって、メディアで盛んに報道されているようなこと、あるいは社会が直面している課題ほど間違っている。
日本は実際より肥満の人が多い、田舎に住んでいる人が多いと認識している。
(これは定義が違うせいのような)

  • 種を絶滅させる遺伝子を伝えるように操作された蚊

Natureニュース
Mosquitoes engineered to pass down genes that would wipe out their species
Ewen Callaway 07 December 2015
http://www.nature.com/news/mosquitoes-engineered-to-pass-down-genes-that-would-wipe-out-their-species-1.18974
不妊を広める「遺伝子ドライブ」がアフリカでマラリアを伝搬する蚊を排除できる可能性
Nature Biotechnologyに発表
A CRISPR-Cas9 gene drive system targeting female reproduction in the malaria mosquito vector Anopheles gambiae
Andrew Hammond et al.,
http://www.nature.com/nbt/journal/vaop/ncurrent/full/nbt.3439.html

  • 世界はHPVワクチンは安全であることを受け容れなければならない

Natureコラム:ワールドビュー
The world must accept that the HPV vaccine is safe
01 December 2015
http://www.nature.com/news/the-world-must-accept-that-the-hpv-vaccine-is-safe-1.18918
しかし科学だけでは一般や政治的信頼を得るのに十分ではないだろう、とHeidi Larsonはいう
EMAが11月にワクチンの安全性を確認した。しかし全ての人が信じてはいない。女子学生が予防接種をした場合の「心理学的反応」は非常に早く拡散しYouTubeにたくさんある動画が不安をばらまいている。私達の研究グループはどのような場合にワクチンへの信頼が壊れるのかを調べている。国により政治家が科学の側にいたり少数派のほうについたりしている。日本は副作用についてあいまいな対応をし、ワクチンの勧めを取り下げながら継続している。コロンビア政府は不安や怒りに共感しつつも予防接種を継続した。イングランドは2009年に14才の少女がワクチン接種後に死亡して危機をむかえながらも直ちに調査し関連がないことを発見し2014年のワクチン接種率は87%に到達した。
課題は多いものの世界中で8000万人以上の少女や女性が予防接種を受けた。
我々はこの前進がワクチンへの反応や懸念が拡大することによって阻害される可能性を過小評価すべきではない。懸念はソーシャルメディアで拡散され増幅し、政治はしばしば科学と大衆のあいだで麻痺して機能しなくなる。

  • 胎児組織の研究が脅かされる

Natureエディトリアル
Fetal tissue research under threat
07 December 2015
http://www.nature.com/news/fetal-tissue-research-under-threat-1.18967
米国上院が中絶胎児の組織を研究用に提供している業者への資金提供をしないことを投票で決めた。中絶反対キャンペーン活動により政治的状況は厳しい
特集として
胎児組織研究の真実
The truth about fetal tissue research
http://www.nature.com/news/the-truth-about-fetal-tissue-research-1.18960
中絶胎児組織の使用が米国で議論になっている。しかし多くの科学者が研究に必須という。
(Natureに科学と社会の難題が並んでた。)

  • 日本が333頭のミンク鯨を殺す新しい計画の科学的価値を弁護

ScienceInsider
Japan defends scientific value of new plan to kill 333 minke whales
7 Dec 2015
http://news.sciencemag.org/asiapacific/2015/12/japan-defends-scientific-value-new-plan-kill-333-minke-whales
(こういうこと主張するなら食文化だなどと公言してしまう人たちの口封じが必要でしょうに)

  • インターネットでの食品に関する主張を市民科学で調べる

Testing The Internet's Food Claims With Citizen Science
By Kevin M. Folta | October 16th 2015
http://www.science20.com/kevin_folta/testing_the_internets_food_claims_with_citizen_science-157785
あなたが食べもののことについてインターネットで10分も調べるとあなたの大好きなものはアレルギーから自閉症までありとあらゆる病気の原因になると言われていることがわかるだろう。それは本当か?多分違う。では何故人々はそんなことをネットに書くのか?
もしあなたがコンピュータを持っていてネットにつながっていて食べるものに困っていないなら秘密でも何でもない。宣伝業者はあなたに特定の食品がいいものだと信じさせるのは難しいが何かを怖がらせてそれを避けるようにするほうが簡単であることを知っている。毎日いろいろなところでその戦略が用いられているのだ。そしてその戦略は効果がある。
ところでこれらの主張を透明性の高い方法で調べる方法はあるだろうか?良くある主張のひとつに「動物は組換え作物を食べない」というのがある。農家はGEトウモロコシが野生動物に食べられてしまうことを知っている。しかし私は科学者なので逸話ではなくデータをとりたい。私はこの仮説を数百人のボランティアに協力してもらって調べることにした。二種類のトウモロコシを育ててもらってそれをボランティアに実験方法とともに配り報告してもらう。プロジェクトの資金はたった17時間で集まった。参加者はまだ募集中である。
GMOトウモロコシ実験
The GMO Corn Experiment
https://experiment.com/projects/the-gmo-corn-experiment

  • 科学者がモンサントのために集まってWHO報告に異議を唱え除草剤は発がん性ではないと言う

Scientists assembled for Monsanto say herbicide not carcinogenic, disputing WHO report
CHICAGO | By Karl Plume  Tue Dec 8, 2015
http://uk.reuters.com/article/us-monsanto-herbicide-glyphosate-idUKKBN0TQ2XH20151208
Intertek Scientific & Regulatory Consultancyが招集した16人の科学者からなる委員会が月曜日にリスクアナリシス学会で発表。この委員会のためIntertekに対してモンサントが資金提供。IARCはグリホサートの分類に置いてデータの解釈を間違っていたり無視したりしている