食品安全情報blog過去記事

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論文

  • オリーブ油とひまわり油は赤ちゃんには良くない−研究

Olive and sunflower oil are bad for babies, study
By Tim Sandle
http://www.digitaljournal.com/science/olive-and-sunflower-oil-are-bad-for-babies-study/article/452171
助産師が新生児の乾燥肌にオリーブ油やひまわり油を塗ることを薦めているが、新しい研究によると良くない。115人の赤ちゃんをオリーブ油、ひまわり油を1日2回数滴28日間とオイルを使わない群の3群に分けて皮膚の脂質ラメラ構造を調べた。油群では発達が遅延した。
Olive Oil, Sunflower Oil or no Oil for Baby Dry Skin or Massage: A Pilot, Assessor-blinded, Randomized Controlled Trial (the Oil in Baby SkincaRE [OBSeRvE] Study)
http://www.medicaljournals.se/acta/content/?doi=10.2340/00015555-2279
(油はともかく食品は薦めない)

  • がんの罹患率は多くの高所得国で減少しているが低所得国で増加

Cancer rates decline in many high-income countries, but rise in lower-income countries
14-Dec-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-12/aafc-crd121015.php
Cancer Epidemiology, Biomarkers & Preventionに発表された研究

  • 有毒藻類に暴露されたアシカは記憶力テストに失格

Scienceニュース
Sea lions exposed to toxic algae fail memory tests
Sea lion
http://news.sciencemag.org/biology/2015/12/sea-lions-exposed-toxic-algae-fail-memory-tests
記憶喪失性貝毒ドーモイ酸の影響がアシカでも確認されたという論文。Science。
Algal toxin impairs sea lion memory and hippocampal connectivity, with implications for strandings
Peter F. Cook et al.,
Published Online December 14 2015
http://www.sciencemag.org/content/early/2015/12/14/science.aac5675

プレスリリース
Sea lions exposed to algal toxin show impaired spatial memory
14-Dec-2015
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-12/uoc--sle121015.php

  • 「新しい、驚異的、革新的」:科学論文にポジティブな単語が増えている

Natureニュース
‘Novel, amazing, innovative’: positive words on the rise in science papers
Philip Ball 14 December 2015
http://www.nature.com/news/novel-amazing-innovative-positive-words-on-the-rise-in-science-papers-1.19024
解析は結果を誇張し極端にする傾向が増えていることを示唆する
PubMedの論文の解析によると、科学者は研究を説明するのにますます前向きになっている。1974年から2014年の間に、論文のタイトルや要約に「新規」「驚異的」「革新的」「過去に例のない」などのようなポジティブな単語の使われる頻度が約9倍になった。「残念」や「悲観的」といったネガティブな単語も統計学的に有意ではあるが増加はより少ない。(グラフあり)British Medical Journalに12月14日発表。
著者によるとこの傾向は研究論文に特徴的で、出版された本についてはあまり変わりはない。この結果の最も明白な解釈は、画期的発見が実際に増えたというより、誇大宣伝と誇張が増加していることを反映しているということである。この知見は論文を発表するためにそれがどれだけ特別で独特であるかを強調しなければならないという自分たちの経験に合致する。「新しい」という単語は今やPubMed論文のタイトルと要約の7%にあり、このままでいくと2123年には全ての論文に含まれるだろう。さらに雑誌のインパクトファクターや著者の所属地で解析すると、ポジティブ単語の増加はインパクトの高い20論文ではそれほど増えていないこと、英語圏の著者ではその他に比べると増加が小さいことがわかった。
(これは印象と一致。データそのもので説得できないできの悪い研究ほど声高に素晴らしいと宣伝する。そしてデータを読めない人たちが騙される。)
ちなみにこれはBMJのクリスマス号の一部
他に
・政府のトップは落選者より死亡率が高い
・議員のほうが一般人より死亡率が低い
・医学文献にボブ・ディランが引用される件数
・ゾンビ感染:疫学、治療、予防(引用文献が映画多し。ゾンビ好きだよね)
・脳ケーキのレシピ
http://www.bmj.com/content/351/bmj.h6310
手順の写真付き。面白いけどあんまり食欲をそそられないのだが・・喜んでもらえるかどうかは人を選ぶような。