食品安全情報blog過去記事

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医務部長による新しいアルコールガイドラインレビューに対する専門家の反応

SMC UK
expert reaction to new Alcohol Guidelines Review from the Chief Medical Officers
January 8, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-new-alcohol-guidelines-review-from-the-chief-medical-officers/
ケンブリッジ大学公衆のリスクの理解についてのWinton教授David Spiegelhalter卿
これらのガイドラインは「低リスク」飲酒を「アルコール関連疾患等で死亡する可能性が1%以下」と定義した。このレベルのリスクはOKと感じるだろうか?あなたの長期の健康には毎日1時間テレビを見ることや週に2回ベーコンサンドを食べることのほうが危険である。一方平均的ドライバーの生涯交通事故リスクはこれより少ない。それらはあなたが適量飲酒でどんな喜びを得るかにかかっているだろう。
(生涯発がんリスク10-5でも嫌われる化学物質に比べて10-2だなんて寛大)
英国産婦人科学会(RCOG)臨床の質副会長Alan Cameron教授
RCOGは妊娠中の飲酒リスクについて女性に十分な情報を与えるべきだということを再度強調する。我々の助言と一致し、妊娠しようとしているあるいは最初の三ヶ月は特に、飲酒しないことが最も安全な選択肢である。妊娠中の女性が安全に飲めるアルコールの量は証明されていない。大量飲酒は胎児性アルコールスペクトラム疾患の原因となる。妊娠12週以降の低レベル飲酒の有害影響は確認されていないがリスクの可能性を排除できない。
Newcastle大学薬物の使用と政策と実践教授Peter Anderson教授
このガイドラインの科学的基盤は正しく、飲酒ガイドラインの改定は長く遅れていた。飲酒による死亡リスクは男女で同等で、アルコールが発がん物質で一連のがんの原因となることは正しい。発がん物質であるためリスクのない飲酒量は存在しない。
残念ながらガイドラインの文章が長くあいまいで理解が難しい。もっと単純明快な文章が望ましい。量の表現は砂糖や塩のようにグラムのほうがよく、定期的飲酒については私なら飲む量が増えるほどリスクが増えると単純に言うだろう。
アルコール研究UK研究政策部門長James Nicholls博士
新しいガイドラインは最近の研究成果を取り入れたものである。この報告書はアルコールが心臓の健康にとって保護作用があるという主張を概ね却下している。たとえ保護作用があったとしてもたった一回でも大量飲酒すればキャンセルされるようなものなので無視できる。
Glasgow大学代謝医学教授Naveed Sattar教授
新しい助言を歓迎する。アルコールは社会に多くの問題を引き起こしている。にもかかわらず最近ますます安く買いやすくなっている。
Liverpool大学依存性教授Matt Field教授
最も重要な変更点の一つは「安全な」飲酒量は存在しないということである。そしてしばしば言われる「保護作用」はほとんどの人にあてはまらないだろうということである。従ってどんな量の飲酒でもリスクになる。この助言が実際の人々の飲酒にどのような影響を与えるかについては議論の余地はあろう
Stirling大学アルコール研究講師Niamh Fitzgerald教授
このガイドラインは人々に最新の正確な情報を与えるためのものである
Sheffield大学健康関連研究学部Sheffieldアルコール研究グループ上級リサーチフェローJohn Holmes博士
新しいガイドラインは我々の根拠と一致している。