食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 食料廃棄を予防するほうがバイオガスにするより良い

Preventing food waste better strategy than turning it into biogas
12-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/nuos-pfw011116.php
ノルウェーでの、食品廃棄のリサイクルと廃棄を予防することのベネフィットを定量化した
古いバナナの皮や昨夜の残り物をバイオガスに代えることはあなたにも環境にも良いと思われるかもしれない:パスタを作りすぎたことに罪悪感を持たなくて済むしバイオガスを使えば化石燃料よりCO2排出は減る。しかしノルウェー科学技術大学の新しい研究によると、それほど単純ではない。実際には集めた食品廃棄をバイオガスに代えるより食品を捨てないよう人々により一層薦めた方がエネルギーへの影響は少ない。政策は食品廃棄を減らすことを優先すべき。Environmental Science and Technology.
特に消費期限と賞味期限の意味の違いに関する消費者の混乱への対策が必要。

  • 妊娠前のジャガイモ摂取は妊娠糖尿病リスクと関連するかもしれない

Pre-pregnancy potato consumption may be linked to gestational diabetes risk
12-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/nksn-ppc011116.php
BMJに発表されたNIHの出資したナース健康研究IIの15000人以上の女性のデータを評価した研究。妊娠の前年に食べた食品について質問されていて、ジャガイモについては焼いたもの、茹でたもの、マッシュポテト、揚げたもの、ポテトチップを1日に「全く食べない」から「6回以上」で答えてもらっている。その結果ジャガイモを多く食べる女性で妊娠糖尿病リスクが高く、研究者らはジャガイモを他の野菜や豆、全粒穀物で置き換えることを提案している。

シドニーモーニングヘラルド
Popular chromium supplements linked to carcinogens
January 11, 2016
http://www.smh.com.au/lifestyle/diet-and-fitness/popular-chromium-supplements-linked-to-carcinogens-20160110-gm2pm4.html
ダイエッターやボディービルダーに人気のサプリメントが細胞に入る時に発がん物質に変わることが新しいオーストラリアの研究でわかった。市販のクロムサプリメントは糖尿病の人も使用している。
この研究はNSW医科大学のLindsay Wuとシドニー大学化学部のPeter Layらによるものでオーストラリア研究評議会から資金を得てAngewandte Chemieに発表されたものである。Lay教授は「あらゆる根拠が示しているのは、クロムサプリメントを摂ることは、特に低用量では、ほとんど利益はなく、高用量では有害な可能性があるということである」という。「がんリスクが上がると確実に言うことはできない。しかし生きた細胞で発がん物質ができることは懸念に値する。」クロムによるがんはしばしば20年以上経ってからだろう。クロムサプリメントが広く使われるようになったのは最近20年程度なのでまだ影響は出ていないだろう。
オーストラリア糖尿病協会の会長Greg Johnson教授は、世界中のどこにも糖尿病管理のためにクロムを薦めているところはない、という。
Carcinogenic Chromium(VI) Compounds Formed by Intracellular Oxidation of Chromium(III) Dietary Supplements by Adipocytes
Dr. Lindsay E. Wu, et al.,
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.201509065/abstract;jsessionid=350D757786B7330E1DA41EDE7FC84612.f02t01?wol1URL=/doi/10.1002/anie.201509065/abstract&identityKey=3379236d-d7f3-4833-ada7-6307090955ba
3価のクロムが6価のクロムになることを確認したという論文