食品安全情報blog過去記事

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研究者らが何故肥満が大腸がんの引き金を引くのか調べる

Behind the headlines
Researchers investigate why obesity can trigger bowel cancer
Tuesday January 19 2016
http://www.nhs.uk/news/2016/01January/Pages/Researchers-investigate-why-obesity-can-trigger-bowel-cancer.aspx
Mail Onlineが「過剰なカロリーが腸内で大腸がんを阻止するホルモンを停止する」と報道した。肥満は大腸がんの既知のリスク要因である。加工肉の多い食生活が発がん物質を多く含むのでがんリスクを上げる可能性があるという根拠はあるが他の高カロリー食でもリスクが上がる理由ははっきりしない。最近の遺伝子組換えマウスでの研究では脂肪や炭水化物の多い食事による肥満はグアニリンというホルモンを「黙らせる」ことがわかった。その結果大腸壁の細胞のグアニリルシクラーゼCという受容体がはたらかなくなり、異常な細胞の増殖が阻止されなくなる。グアニリンの産生を増やす薬物で高カロリー食による影響が無くなり腫瘍の増殖が予防された。
問題はこれがヒトでも作用するかどうかである。答えを我々は知らない。しかしこの研究はさらなる研究への道筋を示す。