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食品添加物としての金(E 175)の再評価に関する科学的意見

Scientific Opinion on the re-evaluation of gold (E 175) as a food additive
EFSA Journal 2016;14(1):4362 [43 pp.]. 20 January 2016
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4362
金(E 175)は1975年に食品科学委員会(SCF)に評価された。FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)はデータ不足により金をレビューしていない。許容一日摂取量(ADI)も設定していない。元素金の吸収・分布・代謝・排泄(ADME)のデータは限られ、食品添加物として使用される金に関する毒性データはなく、E175のリスク評価を行うにはデータが少なすぎる。組織と接触するとイオン化した金が元素金から放出され、接触した場所では金の局所濃度が高くなることがある。元素金の入手可能な亜慢性、急性毒性、遺伝毒性のデータはない。毒性データはないが、元素金の溶解性が低いことから浸透性の有用性と影響は予期されない。金(E 175)の仕様書は平均粒子サイズ、粒子サイズ分布(± SD)、ナノスケール(少なくとも100nm以下の範囲で)の粒子のパーセンテージ(総計で)を含む、粉末状の金で示すべきだと助言した。適用する方法論はEFSAのガイドライン文書に従うべきである。金(E 175)の暴露概算は最大量暴露評価シナリオで最大1.32 µg/kg body weight (bw)/dayに達し、詳細非ブランドロイヤル(特定のブランドだけを買い続けることはない)暴露シナリオにおいて、最大0.33 µg/kg bw/dayである。