食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 妊娠中のビタミンD補充、子どもの喘息、喘鳴リスク

Vitamin D supplementation during pregnancy, risk of asthma, wheezing in offspring
26-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/tjnj-vds012216.php
JAMAの1月26日号に妊娠中のビタミンD補充が子どもの喘息や喘鳴リスクを減らすかどうかを調べた二つの無作為化試験が発表された。
一つはデンマークコペンハーゲン大学のHans Bisgaard博士らによる632人の女性に、妊娠24週から産後1週まで毎日2400IUのビタミンD3またはプラセボを投与した。全ての女性は通常の妊娠ケアの一環として400IUのビタミンD3を投与されている。子ども581人を、最も小さい子どもが3才になる2014年3月までフォローした。これらの子どものうちビタミンD群では47人(16 %)で持続する喘鳴、対照群は57人(20 %)だった。
もうひとつの研究ではボストンのBrigham and Women's病院のAugusto A. Litonjua博士らが妊娠10-18週で子どもの喘息リスクの高い881人の女性を4,000 IU+400IU(周産期推奨ビタミン)またはプラセボ+400IUに割り付けた。810人の子どもが生まれ3年後のフォローアップで806人を解析に含めた。200人の子どもが喘息または再発する喘鳴を発症したが投与群24%プラセボ群30%だった。絶対削減率は6%で有意差はなかった。
これらについてエディトリアルでは、決定的ではない結論であるとしてより長期のフォローアップが必要としている。3才までの子どもの喘鳴は複数の病態からなり最大60%が一時的なものでその後の喘息発症と関連がないことがわかっているため。

  • 定期的カフェイン摂取は余分な心拍にはつながらない、研究が示す

Regular caffeine consumption does not result in extra heartbeats, study shows
26-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/uoc--rcc012216.php
UCサンフランシスコの研究者らによると、定期的カフェイン摂取は、よく見られるものの希に心臓や脳卒中に関連する病気や死亡の原因となりうる、余分な心拍数にはつながらない。
この研究では12ヶ月に渡るカフェイン入り製品の慢性的摂取を測定したものでJournal of the American Heart Associationの2016年1月号に発表された。
1388人の食品頻度調査と24時間心電図による心房期外収縮(PAC)と心室期外収縮(PVC)の調査。840人はカフェイン入り製品を毎日1製品以上摂取していた。コーヒー、紅茶、チョコレートの摂取量によるPACやPVCの頻度に差はなかった

  • フードポリスからのメッセージ

Messages from the food police
26-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/cfb-mft012516.php
我々は皆「フードポリス」が砂糖の多いスナックは悪いと語るのを見たことがある。Journal of the Association for Consumer Researchに発表された新しい研究によるとこうしたメッセージは裏目に出ている。ダイエットしている人たちは「全ての砂糖入りスナックは悪い」といった「フードポリス」スタイルのメッセージを見た後は、よりポジティブなメッセージを見た場合より39%余分にクッキーを食べる。研究者らは3つの研究を行った。最初の研究では380人にデザートについてのネガティブ、ニュートラル、ポジティブなメッセージを見せた。ネガティブメッセイー時を見せたダイエッターは健康的でない食品についてよりポジティブな考えになった。ダイエットしていない人には影響がない。2番目の試験では397人に砂糖入りスナックについての一方的にポジティブかネガティブなメッセージを読んだあとでチョコチップクッキーを食べながら短い映画をみてもらった。ネガティブなメッセージを読んだダイエッターはポジティブなメッセージを読んだダイエッターより39%多くクッキーを食べた。ダイエットしていない人は影響がなかった。
(一方的に否定されるとそんなことない、って思うのかな)

  • 毒物の暴露が湾岸戦争退役軍人の病気を誘発した、と新しい報告が言う

Toxic exposures caused illness in gulf war veterans, new report says
26-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/bumc-tec012616.php
湾岸戦争25周年の節目に、雑誌Cortexの特別号で、湾岸戦争病の研究についての包括的レビューが発表された。著者らは農薬や神経ガスの有害影響を予防するために使用されたピロリドスチグミン錠剤の摂取が、湾岸戦争病や湾岸戦争退役軍人の神経学的機能障害と因果関係があると結論している。またサリンやシクロサリンなどの神経ガス、油井の炎からの排出などへの暴露が退役軍人の神経学的問題と関連するという複数の研究があると引用している。

  • 健康と思考力は同じ遺伝子に関連する、研究が示す

Health and thinking skills linked to same genes, study shows
26-Jan-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-01/uoe-hat012216.php
UK Biobankの約10万人のデータを解析。メンタルテストのスコアとゲノムを比較し一部の疾患と思考スキルの形質が同じ遺伝子の影響を受けることを見出した。この研究は全体的健康状態が良い人は知能が高い可能性が高いという説を支持する。Molecular Psychiatry。
(こんなことを知りたかったのかな)

More evidence emerges for 'transmissible Alzheimer's' theory
Alison Abbott 26 January 2016
http://www.nature.com/news/more-evidence-emerges-for-transmissible-alzheimer-s-theory-1.19229
死体から移植を受けた患者の脳でアルツハイマー病が伝達された可能性が示された。
通常の接触での「感染」ではない。