食品安全情報blog過去記事

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アルコール(エタノール)とその代謝物アセトアルデヒドの変異原性

Mutagenicity of alcohol (ethanol) and its metabolite acetaldehyde
8 January 2016
https://www.gov.uk/government/publications/mutagenicity-of-alcohol-ethanol-and-its-metabolite-acetaldehyde
2000-2014年に発表された情報について更新
https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/490582/COM_2015_S2_Alcohol_and_Mutagenicity_Statement.pdf
1995年にCOMは賢明な飲酒についての報告書のための省庁間ワーキンググループのためにアルコール飲料の変異原性について声明を発表した。その当時COMは変異原性については懸念はないと結論した。200年にCOCが飲酒と乳がんについての声明を発表し、その中で飲酒と乳がんには関連がある可能性がありその原因として活性酸素種(ROS)の関与が疑われるとして1995年のCOMの意見の更新を求めた。COMは1995年から2000年の研究を評価しアルコールがROSを介して乳がんを誘発するという仮説を支持する根拠は不十分だと結論した。またアルコール飲料の変異原性については懸念はないという結論を再確認した。
2013年にCOCが飲酒とがんの関連についての再評価を開始しCOMの意見をさらに更新するよう求めた。この声明はCOMの結論を詳細を記したものである。
エタノールの変異原性については決定的結論は出せない
アセトアルデヒドのin vitro変異原性については根拠が強化された
アルコール飲料の変異原性については決定的結論は出せない
・ROSの役割については決定的結論は出せない
全体としては、アルコールの遺伝毒性について最も懸念となるのはアセトアルデヒドであることに変わりはない
(別に遺伝毒性が明確ではなくてもヒトでの発がん性は確実なので。その昔、変異原性試験さえすれば発がん性試験なんていらないという主張があったりもしたがそう簡単ではなかった)