食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 十代の少女の化粧品の変更で化学物質暴露が大きく減る

Teen girls see big drop in chemical exposure with switch in cosmetics
7-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/uoc--tgs030416.php
Environmental Health Perspectivesに発表されたサリナス青少年の化粧健康環境研究Health and Environmental Research on Makeup of Salinas Adolescents (HERMOSA)に参加した100人のラテン系少女での研究。フタル酸、パラベン、トリクロサン、オキシベンゾンなどを含まないパーソナルケア用品に切り替えて3日で、尿中ジエチルフタル酸代謝物の量は27%減、メチルおよびプロピルパラベンは44および45%減、トリクロサン、オキシベンゾンは36%減
(絶対値が書いてないプレスリリース。もともとの量が有害というわけではない)

  • Tufts大学の栄養科学者が高齢者向け更新マイプレートを提供

Tufts University nutrition scientists provide updated MyPlate for older adults
7-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/tuhs-tun030716.php
以下から
MyPlate for older adults
http://hnrca.tufts.edu/myplate/

  • 細菌はあなたのお腹の中で戦争をしている

Bacteria are waging war inside your gut
By Laurel Hamers Mar. 7, 2016 ,
http://www.sciencemag.org/news/2016/03/bacteria-are-waging-war-inside-your-gut
あなたのお腹の中の善玉菌は協力的で、私達のお腹が栄養に富む住居を提供し、彼らは私達が健康でいるために協力してくれていると思っているかもしれない。しかし何百という微生物種が狭いところに密集して、新しい研究は我々の内蔵は心地よい部屋というよりむしろ戦場に似ていることを示唆する。
マウスに異なる系統のBacteroides fragilisを注入し糞を経時的に観察したところ系統同士がお互いに攻撃している根拠を見つけた。異なる系統の微生物は近くの細菌に異なる毒素の組み合わせを注入し、同じ系統の菌は反撃する。負けると場所を明け渡す。研究者らはこうした毒素の移行が1分間に約10億回おこっていると推定する。PNAS。この戦いには接触が必要である。

Wastewater reveals how much ice Queenslanders are using
March 8, 2016
http://www.news.com.au/lifestyle/health/health-problems/wastewater-reveals-how-much-ice-queenslanders-are-using/news-story/6c6377353065085b150afd5b9a3b1b65
クイーンズランドの2都市の下水を6年にわたって調べたところメタンフェタミン残留物の量がこの間に約5倍になった。この知見はアイス依存の若者が5年間で2倍になったという最近の報告に続くもので薬物使用者が増えていることを確認する。
Medical Journal of Australiaに発表。

  • 統計学者が科学者にp値を断ち切るよう求める

Scienceニュース
Statisticians urge scientists to move past p-values
Mar. 7, 2016
http://www.sciencemag.org/news/sifter/statisticians-urge-scientists-move-past-p-values
この技術は過剰に使われている
p値が0.05より小さいと「統計学的に有意」だという意味になり科学論文が受理されるか却下されるかの境界となることがある。米国統計学会が本日発表した声明はp値のたくさんの限界を説明している。p値には役割があるがそれだけで全ての研究結果を評価するのに使うべきではない。
The ASA's statement on p-values: context, process, and purpose
http://amstat.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/00031305.2016.1154108
(これのまさに悪い事例がトクホの判断基準なんだが)

関連
科学的重要性の間違った測定
The mismeasure of scientific significance
by Trevor Butterworth | Mar 7, 2016
http://www.stats.org/mismeasure-scientific-significance/
米国統計学会がP値の意味を−あるいは意味しないことを−明確にする声明を発表した。
(略)
真の課題は単純にP値を使うことを止めることではなく、「研究デザインと実施と報告の透明性」を受け容れる科学文化を作ることである

Natureニュース
統計学者がP値の誤用に警告を発表
Statisticians issue warning over misuse of P values
Monya Baker 07 March 2016
http://www.nature.com/news/statisticians-issue-warning-over-misuse-of-p-values-1.19503
P値の誤用が多数の研究結果が再現できない理由の一つである。
P値は仮説が真かどうかや結果が重要であるかどうかを決めることはできない。
177年の歴史をもつ米国統計学会がそのような統計の基本について明確な助言を発表したのは初めてのことである。学会メンバーがP値の間違った使用が統計学そのものへの疑問を抱かせることをますます心配するようになってきていた。