食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 重度の、継続する大麻使用は、中年の経済的社会的問題と関連

Heavy, persistent pot use linked to economic and social problems at midlife
23-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/uoc--hpp031616.php
Clinical Psychological Scienceに3月23日に発表された、生まれたときから38才になるまでをフォローした研究によると、大麻を週に4日以上数年以上使うことは、大麻を使用しない人に比べて、親より低い社会的地位、低い賃金、スキルの低い名誉の少ない仕事になる可能性が高い。定期的持続的使用者は経済的、仕事関連、人間関係での困難を経験することが多く、それは大麻の使用期間が長くなると悪化する。
この研究は大麻の合法化を支持も反対もしないが、大麻は安全ではないことを示す。

Stirling scientists examine the merits of fish oil supplements
23-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/uos-sse032316.php
健康で筋トレしている若い男性の筋肉の成長に、魚油サプリメントは影響がない
Physiological Reportsに発表。ジムに通っている20人に毎日5g、8週間魚油を摂ってもらった

  • あなたの子どものフルーツ飲料にはどのくらいの砂糖が入っているか?

How much sugar is in your child's fruit drink?
23-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/uol-hms032316.php
BMJ Openに発表されたAction on Sugar協力者の研究によると、市販の子ども用フルーツドリンクの砂糖含量は「許容できないほど多い」。
英国で子ども向けに販売されている203の飲料の200mLあたりの遊離の糖を調べた。約半分が子どもの1日の最大量である19g以上の糖を含んでいた。
How much sugar is hidden in drinks marketed to children? A survey of fruit juices, juice drinks and smoothies
http://press.psprings.co.uk/Open/march/bmjopen010330.pdf
(100%ジュースでもダメらしい)

これについて
こどもの飲料中砂糖の研究への専門家の反応
expert reaction to study of sugar in children’s drinks
March 23, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-of-sugar-in-childrens-drinks/
食品や飲料の砂糖の量について現在議論になっているが、子ども向けに販売されているジュースやスムージーの砂糖量についての研究がBMJ Openに発表された。
Reading大学食品科学者Gunter Kuhnle博士
この研究は非常にタイムリーで、先週大蔵大臣から砂糖税導入が発表されたところである。これは市販の子ども向け飲料の良い調査で重要な知見を提供する−砂糖の摂取に寄与するのは炭酸飲料だけではない。炭酸飲料に比べてフルーツジュースやスムージーはしばしば「健康的」な代用品とみなされるがその砂糖含量が無視されている。この研究はフルーツジュースの砂糖含量はコーラと同じくらいであることを示している。そしてスムージーのなかには非常に多く砂糖を含むものがある。
もちろん果物は健康的食生活の一部で、もっと食べるべきだが、フルーツジュースはいくら飲んでも1/5にしかならない。ジュースやスムージーは果物を食べる代わりにはならない。
この研究は我々の食事中の砂糖摂取源は多いことを示す。砂糖は天然物で多くの野菜や果物に含まれるが、しばしばそのことが忘れられている。砂糖摂取量をへらすためには全ての摂取源を知る必要がある。
食品研究所名誉フェローで栄養研究者Ian Johnson博士
我々はこれまでの研究から成人では遊離の糖を多く摂ることは体重維持のためのエネルギー摂取量の調節機能を障害することを知っている。これはもっと早い時期から始まっている可能性があり、子ども向けに販売されている砂糖入り飲料はそれに寄与している。この研究はその問題をタイムリーに示した。

  • クルクミンのポリサッカリドベースのヒドロゲルビーズへのカプセル化:脂質の消化とクルクミンの生物学的アクセス可能性に与えるビーズのタイプの影響

Encapsulation of curcumin in polysaccharide-based hydrogel beads: Impact of bead type on lipid digestion and curcumin bioaccessibility
Zipei Zhang et al.,
Food Hydrocolloids Volume 58, July 2016, Pages 160–170
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0268005X16300765
クルクミンを含む脂質をカプセル化した時の消化管内での運命を調べた
(なぜこんなことをしているのかというとクルクミンは消化管内で速やかに代謝されてしまうので食品の機能性成分としてあまり使えないため、だそう。ウコン製品たくさん売ってるけどそういうこと。)