食品安全情報blog過去記事

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緑茶抽出物は肝障害を引き起こす可能性があるとノルウェーが警告

Green tea extracts may cause liver damage, Norway warns
18-Mar-2016
http://www.nutraingredients.com/Regulation-Policy/Green-tea-extracts-may-cause-liver-damage-Norway-warns
ノルウェー食品局が肝障害の報告を受け取って緑茶抽出物サプリメントに警告
多くは肝障害。製品に含まれるエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)は単に緑茶を飲むだけで摂取する量よりはるかに多い。緑茶の健康上のメリットについての根拠は多いものの同時に有害性についての懸念もある。
これまで発表されてきた論文に緑茶EGCGに関連する数十例の肝障害事例が報告されている。
アメリカハーブ局方の創設者Roy Uptonによると「我々が知っている緑茶サプリメントに関連する肝障害は少なくとも20症例ある。」
イタリアHylobatesコンサルティングの管理部長Luca Buchini博士は「よく知られていたのに対策されてこなかった問題である」という。EFSAは2009年のガイダンス文書で述べている。「緑茶抽出物は、一定以内の量なら多くの人にとって安全であるが、EUレベルではリスク評価もリスク管理も行われていない。我々は植物製品についてレギュラトリーサイエンスに基づいたプロセスが必要である。EUにはそのような仕組みがない、そういう制度に反対する人たちによって保留されてきた」
ノルウェー食品局(Mattilsynet)は消費者に対して「信頼できるところ」からのみ製品を購入し、使用方法を良く読み、空腹時には使用しないことを薦めている。
アメリカ植物評議会のMark Blumenthalは言う「EGCGサプリメントを空腹時に使用しているのではないかと想像されている。空腹時に肝臓に与える濃縮カテキンの影響は食品を代謝しているときとは違う影響があるかもしれない。」
ノルウェー語がわからないので英語ニュースサイトから)

Mattilsynet jobber for EU-regulering av produkter med ekstrakter av grønn te
10.03.2016
http://www.mattilsynet.no/mat_og_vann/spesialmat_og_kosttilskudd/kosttilskudd/mattilsynet_jobber_for_euregulering_av_produkter_med_ekstrakter_av_gronn_te.22069
ノルウェー語)

食品サプリメントに使用されている緑茶抽出物の(-)-エピガロカテキン-3-ガレート (EGCG)の量の安全性評価
Safety assessment on levels of (-)-Epigallocatechin-3-gallate (EGCG) in green tea extracts used in food supplements
http://www.mattilsynet.no/mat_og_vann/spesialmat_og_kosttilskudd/kosttilskudd/norwegian_institute_of_public_health_safety_assessment_on_levels_of_egcg_in_green_tea_extracts_used_in_food_supplements.22068/binary/Norwegian%20Institute%20of%20Public%20Health:%20Safety%20assessment%20on%20levels%20of%20EGCG%20in%20green%20tea%20extracts%20used%20in%20food%20supplements
緑茶抽出物は食品サプリメントによく使われている。ここ数年緑茶抽出物を含む食品サプリメントの摂取に関連する健康への悪影響についての報告がいくつかある。ノルウェースウェーデンデンマークの食品当局は緑茶抽出物を含む食品サプリメント摂取後の肝障害の症例報告をいくつか受け取っている。2014年だけでノルウェー地域医療情報及びファーマコビジランスセンター(RELIS)は緑茶抽出物を含む食品サプリメント摂取と肝炎の関連についての4つの症例報告を受け取っている。このためノルウェー食品局がノルウェー公衆衛生研究所に報告を依頼した。
EGCGは飲料の緑茶には77.8 (2.31 - 203)mg/100g程度含まれる(淹れたかにより相当違う)
緑茶抽出物のEGCGも製品により相当違うし同時に含まれる成分もかなり違うが通常成分は不明である。DTUの報告では北欧諸国で販売されている製品の緑茶抽出物は1944mg、EGCGは1日980 mg。
イヌの実験で、餌を与えた後にEGCGを投与した場合と空腹時の投与では血中濃度が10倍違い、空腹では重大な肝障害がおこることが報告されている。
症例報告がまとめられている
安全マージン(MoS)アプローチでは1日のEGCG暴露量は0.4 mg/kg体重以下にすべき

(普通にお茶飲んでも超えてしまいそうな量。トクホのお茶だと茶カテキン197mg http://www.itoen.co.jp/catechin/about/index.htmlとあるのでこれもアウト。
特定の食品の健康効果をいいかげんなデータで宣伝して、それを真に受けた人がたくさん買ってくれるのを喜んでいると健康被害が出て、毒性評価の通常の方法を適用されるはめになって元々の食品すら安全上問題があると判断される。普通の食品は残留農薬や添加物並みに吟味されると大抵アウトなので。機能性食品とかいって喜んでいる人たちは自分たちが崖っぷちにいることを自覚していない。)

ノルウェー食品局からもうひとつ