食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 人生の最初の6ヶ月に抗生物質に暴露されることと子ども時代の体重増加

Antibiotic Exposure During the First 6 Months of Life and Weight Gain During Childhood
Jeffrey S. Gerber, et al.,
JAMA. 2016;315(12):1258-1265.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2504812
20万人以上の子どもの後ろ向き縦断研究。結論として6ヶ月までの抗生物質の使用は7才までの体重増加とは関連しない。抗生物質暴露を制限すべき理由はたくさんあるが、子どもの体重増加はそのひとつではない。

  • 食事パターンと閉経後女性の骨折 女性健康イニシアチブの結果

Dietary Patterns and Fractures in Postmenopausal Women
Results From the Women’s Health Initiative
JAMA Intern Med. Published online March 28, 2016.
http://archinte.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2504188
Women’s Health Initiative (WHI)の参加者、50-49才の93676人のデータを用いた解析。食事パターンを地中海食や健康的食生活指標、DASHスコアなどで評価した。解析対象になったのは平均年齢63.6才の90014人。フォローアップ期間の中央値15.9年のうち2121人が腰部骨折、総骨折は28718例。腰部骨折リスクが最も低かったのは地中海食スコアで最も高い1/5の群でHR, 0.80; 95% CI, 0.66-0.97。総骨折とは関連がなかった。健康的食生活指標やDASHスコアは高いほど腰部骨折リスクが低い傾向はあったが有意ではなかった。

  • 母乳、予防接種が赤ちゃんの耳の感染を減らすのに役立っている

Breastfeeding, vaccinations help reduce ear infection rates in babies
28-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/uotm-bvh032516.php
Pediatricsに発表された研究によると赤ちゃんの最初の1年の耳の感染率が減少している。理由として母乳を与える率があがったことや予防接種、喫煙率が下がったことなどを研究者が示唆している。1980年代後半から1990年代の研究に比べて2008-2014の研究では3ヶ月児の耳の感染率は18から6%へ、6ヶ月では39から23%へ、1才では62から46%に減った。
(母乳かどうかは確認されていないけれど子どもの感染症が減っている)

  • Mount Sinaiの研究者らが市販の検査の正確さを評価する

Mount Sinai researchers assess accuracy of commercially available lab tests
28-Mar-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-03/tmsh-msr032816.php
Mount Sinai Icahn医学部の科学者らがLabCorp, Quest Diagnostics, および Theranosで行った健康な成人の基本的血液検査を比較した研究がJournal of Clinical Investigationに発表された。同じ人の複数サンプルを集め、年齢、性別、採血時間などの変数を調整したところ半分以上の検査結果が検査会社により異なる。中性脂肪と赤血球数が最も一貫した結果になるが白血球数と総コレステロールが最も違う。Theranosの結果が他の二つの企業の1.6倍異常値とされやすい。また一日のうちで早い時間に採血したものと遅い時間に採血したものとも違う。