食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

コンシューマーラボ
Product Review: Nattokinase Supplements Review
4/9/16
https://www.consumerlab.com/reviews/nattokinase-supplement-review/nattokinase/
納豆キナーゼは血栓リスクを減らす、血圧を下げるなどと宣伝されているが根拠はあるか?そして表示されている酵素活性(フィブリン溶解ユニット)のあるサプリメントはどれ?我々の調査結果にあなたは驚くだろう:全ての製品が表示されている内容を含むわけではない。11製品を調べた結果(結果は会員のみ)

Ten Thousand New Reasons Not To Worry About Pesticide Residues
Mar 1, 2016
Steven Savage ,
http://www.forbes.com/sites/stevensavage/2016/03/01/ten-thousand-new-reasons-not-to-worry-about-pesticide-residues/
USDAのPDPデータを用いて解析した結果を報告している
2014年の10750検体についての詳細データが2016年始めに公開されていて、それを用いていろいろな図表を書いている
さらなる詳細は以下から
An Independent Analysis of the 2014 USDA Pesticide Detection Program Data
Mar 01, 2016 by savage_sd
https://ja.scribd.com/doc/301529907/An-Independent-Analysis-of-the-2014-USDA-Pesticide-Detection-Program-Data
アメリカのデータ公開は本当にすごいのだけれど、読める人はそんなに多くはない。そしてこれだけ公開していても一部の反農薬NGOによる都合の良いところだけ抜き取ったキャンペーン(EWGのダーティ・ダズンとかの)のほうが強かったりする)

  • 「私は息子の脳をフライにしたくない」:西オーストラリアの両親は病気の息子の化学療法に反対

'I don't want my son's brain fried': WA parents oppose chemo treatment for ill son
11 Apr 2016
http://www.sbs.com.au/news/article/2016/04/10/i-dont-want-my-sons-brain-fried-wa-parents-oppose-chemo-treatment-ill-son
http://www.news.com.au/lifestyle/health/health-problems/angela-kiszko-speaks-out-about-sixyearold-son-being-forced-to-undertake-radiotherapy-and-chemotherapy/news-story/bd2ce5d24803e8ed61f06a5d297faa42
脳腫瘍の6才の子どもの保護者が、医師に化学療法を使うことを許した裁判官の決定に控訴
髄芽細胞腫を、辛い化学療法や放射線療法ではなく代替療法で治したいとテレビに出て主張。
外科手術は終わっていて拡散したものを化学療法と放射線療法でたたくというのが医師の提案。親は発がん物質を二種類も使うなんて理解できない、と治療を3ヶ月拒否。副作用についての情報をたくさん読んだらしい。アジアのクリニックで根拠のない代替療法をすれば治ると信じた、と。結局がんは再発しているがこの時点では既に医師との信頼関係はない。
(突然素人がネットの嘘情報に対処しなければならない羽目になるこの世界は生き残るのが難しい)

Health-care system flaws hindering Ontario’s response to fentanyl crisis
KAREN HOWLETT and ANDREA WOO
TORONTO and VANCOUVER — The Globe and Mail
Published Sunday, Apr. 10, 2016
http://www.theglobeandmail.com/news/investigations/health-care-system-flaws-hindering-ontarios-response-to-fentanyl-crisis/article29582102/
Globe and Mailがカナダのフェンタニル危機の特集をしている「A Killer High」というシリーズの一部の記事
薬物使用についてサーベイランスシステムがない、関係者の情報共有がない、オピオイドを過剰処方している医師への対策がない、など

  • IARC-ゲート?欧州の反科学環境団体は利益相反スキャンダルを隠そうと画策?

IARC-Gate? Are Europe’s anti-chemical enviros conspiring to suppress conflict-of-interest scandal?
David Zaruk & Jon Entine | April 7, 2016 | Genetic Literacy Project
https://www.geneticliteracyproject.org/2016/04/07/iarc-gate-europes-anti-chemical-enviros-conspiring-suppress-conflict-interest-scandal/
現在欧州では農薬の規制を巡るイデオロギー闘争が行われていて、その主役の何人かがグリホサートを巡って本気の戦いになっている。
EUの食品安全についてリスク評価をし助言する立場のEFSAは、全ての科学的根拠を集める、データが足りなければ企業や学会や研究者に情報を求め、グリホサートについては1000以上の研究を考慮して安全であると結論した。
一方IARCは発がん物質のハザード評価をしているが2015年に開催したワーキンググループで800以上の研究を考慮し欧州委員会の公式要請でのBfRによる正式なリスク評価を無視してグリホサートを「おそらく発がん性」とした。
BfRやEFSA、IARCがその結論を出すのに使った研究の著者を含む主流科学コミュニティはIARCを批判した。しかしNGOとオーガニック業界はこの決定を根拠にグリホサートの禁止のロビー活動を始めた。
David Zarukはこの問題に悪意が絡むことを嗅ぎつけ米国Environmental Defense Fundの雇ったChristopher Portierの見解を反映していることを発見した。2014年から2015年の二つの重要なポイントでIARCは意図的にPortierが反農薬NGOのために働いていたという利益相反を隠蔽した。IARCの報告書発表後PortierはIARCの支持を受けて世界中でグリホサートを禁止しようというキャンペーンを率いている。
EFSAが2015年後半にIARCの評価は根拠により支持されないと発表して事態は沸騰し、IARCはEFSAが利益相反だと反撃した。EFSAの長官は欧州議会に対してIARCとPortierが有害化学物質を評価するという重大な仕事に“Facebook Age of Science”アプローチをとっていると回答した。それ以降二つの機関は絶縁状態である。
これら一連の騒動がIARC-ゲートという単語になった。David ZarukがEurActiv上のblog、 Risk-MongerでIARCを批判したところIARCは反企業ジャーナリストを利用してLe MondeにEFSAを批判する記事を書かせた。Zarukがこの記事の間違いを指摘しIARCがこんなことをするのに疑問を提示したところ、Le Mondeの法律部門が介入してきてEurActivに名誉毀損だと主張してこのblogをみられないようにさせた。Zarukはblogの記事の事実を支持した。そして3日間の圧力の後、Le Mondeは主張を取り下げblogは4月6日オンラインに復帰した。
このようなIARCの専門家としてあり得ない行動についての情報は重要である。来月、WHOはグリホサートモノグラフの取り下げか受け容れかを決めるために会合を開き、EFSAはこの除草剤の認可を延長するかどうかを決める。最終的にはこれは政策決定者が科学を利用できるかどうかの問題である。

(“Facebook Age of Science”ってなんだろう?と思って検索するとグリーンピースのサイトに説明があった
EFSA accuses world-class cancer experts of engaging in 'Facebook science'
December 8, 2015
http://www.greenpeace.org/eu-unit/en/blog/efsa-accuses-world-class-cancer-experts-of-en/blog/55036/
EFSAのBernhard Url長官が12月1日に欧州議会のヒヤリングで以下のように述べた:
「この仕事に寄与していない人たち、エビデンスを見ていない人たち、詳細を検討する時間の無かった人たち、このプロセスに関わっていない人たちが(IARCを)サポートする文書にサインした。残念だが彼らは、このことで科学の範疇を外れてロビー活動やキャンペーン活動に入った。そしてそれはEFSAの道ではない。私にとってこれは科学のフェイスブック時代“Facebook Age of Science”の兆候である。あなたがある科学的評価をもっている、それをフェイスブックに載せる、そしていいね!がどれだけつくかを数える。我々が進むべき道ではない。我々は科学的評価をし、それを支持するが好き嫌いで判断したりはしない」
これのことらしい
Glyphosate: EFSA responds to critics
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/160113
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160115#p4

新聞社が自社に都合の悪い言論を封殺に動くとか、終わってる感。Zarukさらに新しい記事をあげている)

  • 超初心者向けIARCゲート:このWHOの機関のグリホサートキャンペーンがスキャンダルである3つの理由

IARCgate for Dummies: Three Reasons this WHO Agency’s Glyphosate Campaign is a Scandal
April 7, 2016
http://risk-monger.blogactiv.eu/2016/04/07/iarcgate-for-dummies-three-reasons-this-who-agencys-glyphosate-campaign-is-a-scandal/
1. 利益相反の隠蔽
2. 反科学機関キャンペーン
3. 科学に基づく政策決定の場に政治色の強いアプローチを持ち込んだ
解決方法は?
最も簡単なのはIARCのグリホサートモノグラフの取り下げ
(IARCのWHO傘下からの脱退というのは?)