食品安全情報blog過去記事

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パーキンソン病と農薬規制

Parkinson's disease and agricultural chemical regulation
13 April 2016
http://apvma.gov.au/node/20081
何年にもわたりいろいろな研究から一部の農薬の使用とパーキンソン病に関連があるのではないかという仮説が提案されてきた。
APVMAは人々や動物や作物や環境を守ることに寄与する全ての質の高い研究を歓迎し、定期的に新しい科学的情報の厳密な評価を行っている。
疫学や実験室での研究の両方の知見からは農薬使用とパーキンソン病の関連を示す明確な科学的根拠はない。
2014年にAPVMAは、除草剤、防カビ剤、殺虫剤の暴露を調べたものを含む発表された疫学研究の詳細なレビュー結果を検討した。その結論は以下である:
・入手できるデータに基づき、パーキンソン病とレビュー対象のどの指標についても因果関係を結論する科学的根拠はない
パーキンソン病に田舎に住むこと、農業、井戸水を飲むことに関連する特異的リスク要因がある可能性はあるがこれまでの研究はこれらの要因を同定するために適切にデザインされたあるいは実施されていない
さらに30-40年前に農業に使われていた化合物の多くは市場から無くなりあるいは規制対応が執られて使用制限や個人の防護が強化されている。時間経過により、特定の化合物の使用とパーキンソン病を含む現在の病気について研究者が直接の関連を確立するのは困難になっている。
APVMAの役割
ヒト健康、環境、動物、作物の安全性あるいは貿易にとってのリスクが変わることを示唆する新しい科学的情報はいつでも出る可能性があり、APVMAは必要であれば速やかに対応する。APVMAが新しい情報に基づいてある化合物のリスクが現在の使用法では管理できないと評価すれば、リコールを含めて製品を使用停止にしたりキャンセルしたりできる。また正式なレビューを行って科学的再評価により規制の変更などを決めることができる。
完全レビューは複雑でリソースと時間を大量に費やす−現在の枠組みでは最大5年。このためAPVMAは一般的には現実的に対応する。
化学物質は安全に使用できるか?
エス。表示されている使用方法と安全のための規則に従うこと。