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FSAIの報告書は重大な先天異常リスクを減らす選択肢を提案

FSAI Report Proposes Options to Reduce Risk of Severe Birth Defects
Wednesday, 4 May 2016
https://www.fsai.ie/news_centre/press_releases/folic_acid_report_04052016.html
FSAIが本日発表した科学報告書は出産年齢の女性が、アイルランドの重大な先天異常頻度を減らすため、より多くの葉酸を摂取する必要があることを強調する。FSAIの科学委員会が作成したこの報告書は、葉酸に関する包括的更新を提供し、世界で最も高いものであるアイルランドの二分脊椎や無脳症のような神経管欠損(NTDs)率を減らすための努力について報告する。食品サプリメントや食品への添加による女性の葉酸摂取を増やすことの有効性について検討した。
妊娠前と妊娠初期に葉酸を摂取することで最大70%のNTDsが減らせるが、現在アイルランドの妊娠可能年齢の女性の36%しか血中葉酸濃度が適切ではない。アイルランド若い女性の5人に1人は葉酸サプリメント葉酸強化食品も使用していない。
1993年以降アイルランドは生殖可能な全ての女性に、妊娠を予定しているかいないかに関わらず1日400 microgの葉酸を摂るよう助言してきた。実際には助言に従っている女性は極めて少ない。特に経済的不利な立場の女性が最も従っていないことが懸念である。1980年代初期に導入された製造業者による食品への自主的添加はNTDのリスクを減らすのに意味のある寄与をしたものの、米国のような葉酸強化義務計画に比べると有効性は低い。
FSAIの科学委員会は以下の二つの選択肢のうちの1つを導入すべきと提案した。
1:自主的葉酸添加とサプリメントを摂るようにという助言に加えて葉酸添加を義務化する
(パンまたは小麦に)
2:自主的葉酸添加とサプリメントを摂るようにという助言
自主的葉酸添加を促進するためのガイドなどを提供する。選択肢1に比べて有効性の根拠は弱い