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PHEは全国肥満フォーラムと公衆衛生協議会の意見文書に反応

PHE response to the National Obesity Forum and Public Health Collaboration opinion paper
23 May 2016
https://www.gov.uk/government/news/phe-response-to-the-national-obesity-forum-and-public-health-collaboration-opinion-paper
「肥満と糖尿病を逆転させるために脂肪を食べ炭水化物を減らし間食を避ける」報告書は無責任で人々を誤解させる
全国肥満フォーラムと新しく作られた公衆衛生協議会Public Health Collaborationが本日発表した意見文書は無責任で人々を誤解させる。PHEの主任情報官John Newton教授は言う:
「人々にもっとたくさんの脂肪を食べ、炭水化物を減らし、カロリーは無視するよう示唆することは広範な根拠と国際的に合意されている解釈とは矛盾する。栄養に関する科学委員会の報告書では炭水化物についてだけで600ほどのピアレビューされた科学文献を含む。このレビューは何年も掛けて行われ、食事ガイドラインを変えるためにどれだけ熟慮したかを反映している。我々は助言を変えるときには広範な関係者を参加させ、その中には食品や飲料の会社も含まれる。政府に食事ガイドラインを助言する団体として、食品を作り販売している人たちを参加させないのは無責任である。」
我々の優先課題は一般の人向けに、明確で一貫した、しっかりした客観的根拠に基づく助言を行うことである。食生活を改善し肥満を減らし心疾患や2型糖尿病や一部のがんのような重大な病気のリスクを減らすための我々の助言は以下のままである:
・デンプン質の淡水化物、特に全粒穀物をお基本にし
・毎日最低5単位の多様な野菜や果物を食べ
・飽和脂肪、塩、砂糖およびカロリーの多い食品や飲料を減らす
食事が後の健康に与える影響を調べる研究を行うのは難しい。だからPHEは食事ガイドラインの根拠に包括的レビューを用いる。我々の助言は独立した専門家によるレビューに基づく。
PHEは全国肥満フォーラムを含む各関係者に相談をしている。しかしながら根拠の変化は監視し続け、新しい根拠が出てきたら新たにレビューを行う。
全国肥満フォーラムと公衆衛生協議会の意見文書は系統的レビューではなく方法論についての評価を含まず包括的レビューとは同一視すべきではない。例えばこの文書では乳製品を多く摂ることが肥満リスクを減らす可能性を示唆した一つの試験を強調している一方で、29の試験をメタ解析した結果乳製品の増加は体重増加リスクを減らさないと結論した系統的レビューを無視している。
厚生労働省もこのくらいガチで反論できればいいのに)