食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

化学物質の公衆衛生影響:わかっていることとわからないこと

IPCS
Public health impact of chemicals: knowns and unknowns
2016
http://www.who.int/ipcs/publications/chemicals-public-health-impact/en/
2016年報告書では、特定の化学物質が原因で2012年は130万人の命と4300万DALYが失われたと推定している。しかしデータが入手できるのはごく僅かな化合物についてのみである。
意図しない中毒が毎年193000人の死亡の原因で、多くは予防できる。しかし中毒情報センターを持っているのは43%の国でしかない。
鉛対策で知能障害の9.8%、虚血性心疾患の4%、脳卒中の4.6%が予防できると推定されているが多くの国では鉛塗料を規制していない。

報告書本文
http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/206553/1/WHO_FWC_PHE_EPE_16.01_eng.pdf?ua=1
写真が掲載されているのは石炭火力発電、伝統的皮なめし作業、建築廃棄物の不適切な廃棄。日本が鉛塗料の法的規制がない国となっているけど。
農薬については使用者の中毒。
(負荷が大きいと評価されているのは鉛やヒ素のような昔からあるもの。)