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論文

  • イタリアの食品科学者はにせ物チーズにうんざりしている

Italian Food Scientists Are Tired Of Phony Cheese
By Alex Berezow | May 26th 2016
http://www.science20.com/alex_berezow/italian_food_scientists_are_tired_of_phony_cheese-173432
技術の進歩により食品偽装を検出するのは簡単になった。シーフード業界では特に不正直が蔓延っている。2014年のLATimesの報道では「レッドスナッパー」と表示された魚の93%が実際にはティラピアのような他の種類であった。そしてあなたがツナだと思っているものの半分はツナではない。
欧州人は特に食品に神経質である。アメリカ人がパルメザンチーズと呼ぶものはヨーロッパ人にとっては恥ずべきものである。Forbesの旅行と食のライターLarry Olmstedによると、ほんもののパルミジャーノ・レッジャーノチーズとは、
パルマ/レッジョ地域で作られて牛から絞って20時間以内に加工したミルクと、塩とレンネット(牛の腸のからとった天然の)の3つしか使わない。セルロースソルビン酸カリウムやチーズ培地はパルミジャーノ・レッジャーノには入っていない。それらを使うのは違法である。これらはKraft 100%パルメザン粉チーズには入っている」
さらに悪いことに、アメリカでパルメザンとして通る三流品は増量剤であるセルロースが多く含まれている、あるいはチェダーのようなもっと安いものであるとBloombergが報道している。
イタリアのチームがニセ食品を取り締まるためにパルミジャーノ・レッジャーノチーズの化学的真正性検査法を開発した。その結果をJournal of Agricultural and Food Chemistryに発表している。
ほんもののパルミジャーノ・レッジャーノチーズとみなされるためには、サイロに貯蔵した飼料を与えた牛のミルクから作ってはならない。新しい方法で違反が検出できる。牛の腸内細菌が各種の脂肪酸を作りそのうち一つのシクロプロパン脂肪酸(CPFA)は欧州の厳しいチーズ法で育てられた牛では作られないがサイロに貯蔵した飼料を与えた牛の体内はそれを作る細菌がいる。従ってチーズのCPFAを検出すると本物かどうかわかる。著者らはチーズをGC-MSで調べた
Development of a Quantitative GC–MS Method for the Detection of Cyclopropane Fatty Acids in Cheese as New Molecular Markers for Parmigiano Reggiano Authentication
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.jafc.6b00913
(嘘はつかないほうがいい、とは思うけれどPDOがそこまで大事なのか?とは。モノとしてはそれほど明確な違いはないのに価格差が大きいほど偽装のインセンティブは強くなるだろう)

  • ライチ

Outbreaks of Hypoglycemic Encephalopathy in Muzaffarpur, India: Are These Caused by Toxins in Litchi Fruit?: The Counterpoint.
Vashishtha VM.
Indian Pediatr. 2016 May 8;53(5):399-402
Outbreaks of Hypoglycemic Encephalopathy in Muzaffarpur, India: Are These Caused by Toxins in Litchi Fruit?: The Point.
John TJ, Das M.
Indian Pediatr. 2016 May 8;53(5):399.
http://www.indianpediatrics.net/may2016/399.pdf

Das M, Asthana S, Singh SP, Dixit S, Tripathi A, John TJ.
Litchi fruit contains methylene cyclopropyl-glycine. Curr
Sci. 2015;109:2195-7.
(未熟なライチ(の果肉)に毒素が多いって書いてあるようだが。)