食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • 全粒穀物の摂取量の多さは主要慢性疾患と死亡リスクの低さに関連する

Higher intake of whole grains associated with lower risk of major chronic diseases and death
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/b-hio061016.php
BMJに発表された45の研究のメタ解析。
(そうなんだけど玄米は薦め難いのでいわゆる「ごはんとおかず」にこだわるといろいろ難しい。こだわらなきゃいいだけなんだけど)

  • アルコールの販売を制限する法律は測定できる公衆衛生上の影響を与える可能性がある

Laws limiting alcohol sales may have measurable public health effects
14-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/b-lla061016.php
BMJ。Texasの郡によるアルコール販売法の違いを利用して飲酒と心血管系疾患の関連を調査した。

  • 健康的な植物ベースの食事は2型糖尿病リスクの相当な低さと関連する

Healthy plant-based diet linked with substantially lower type 2 diabetes risk
14-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/htcs-hpd061316.php
PLOS Medicineに2016年6月14日発表された米国男女20万人以上を20年以上フォローした研究。
動物食品の摂取量を1日5-6単位から約4単位に少し減らしただけでも糖尿病の少なさと関連する。
(それを減ったというか)

  • 青年期の飲酒と大麻使用は学業成績の悪さと健康問題に繋がる

Adolescent alcohol and marijuana use leads to poor academic performance & health problems
14-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/rc-aaa061316.php
Addictionに発表されたRANDの研究。合計6509人の中高生の飲酒と大麻使用を7年間追跡した。大麻とアルコールを両方使っている生徒は高校の学業成績と精神衛生が悪い傾向がある。しかし大麻の方が状態の悪さの幅が広い。同じ量の使用なら白人よりアジア系などの非白人のほうがより悪い。

  • 環境汚染物質ダイオキシンが如何にしてマウスの脳の発達を変えるかを研究者が明らかにした

Researchers uncover how environmental pollutant dioxin alters brain development in mice
14-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/uot-ruh061416.php
筑波大学プレスリリース。Scientific Reportsに発表された研究。AhR信号の過剰活性化の影響を調べた。
(遠山千春氏今筑波大学なんだ。他の人は所属は東大。図を見ても文章を読んでも何をどう明らかにしたのかさっぱりわからない・・ので論文
AhR信号活性化が発達中のマウスの臭覚介在ニューロンの移動と樹枝状成長を阻害する
AhR signaling activation disrupts migration and dendritic growth of olfactory interneurons in the developing mouse
Scientific Reports 6, Article number: 26386 (2016)
http://www.nature.com/articles/srep26386
実験方法は生後1日のマウス側脳室にin vivo電気穿孔法により構成的に活性化されたAhRプラスミドを入れてその後の形態変化をみた。
ダイオキシンを使ったわけではなく、量の情報もないのでこれが普通の暴露条件で起こりうることなのか高度に人工的なものなのか判断できない。環境中に存在するダイオキシンの影響がどうこうという話ではない)

  • より香り高く淹れるため、コーヒー豆を冷やせ、と科学者が言う

Chill coffee beans for a more flavorsome brew, say scientists
14-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/uob-ccb061416.php
Bath大学の科学者がコーヒーを風味豊かにするためには挽く前の豆を冷やせばいいと言う
豆を挽く温度を-196℃から室温まで変えて実験したところ冷たいほど細かく均一な粒子ができた。Scientific Reportsに発表。

  • 健康情報の社会生活

The social life of health information
14-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/uoc--tsl061416.php
UC Riversideの研究はアメリカ人がオンラインでシェアしている健康情報の地域的、人口動態的、教育による違いを示す
Journal of Medical Internet Researchに発表。
医療関係のフォーラムとSNSでやりとりされている情報の解析。若い人はADHDや両親やホモセクシュアルについて多く語り北東部の人は身体的疾患について多く語るが西部の人精神疾患や依存が多い。書く能力が低いユーザーはフラストレーションと怒りを表出することが多い。
(そんな雑誌があるんだ)

  • 何故女性は男性より長生きなのか?

Why do women live longer than men?
14-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/uoaa-wdw061416.php
Cell Metabolismに6月14日発表された展望。38ヶ国、古いものでは1751年のスウェーデンや1816年のフランスを含むヒトの死亡率データベースから、全ての国で全ての年で女性の寿命の方が男性より長い。アイスランドの飢饉の時に寿命が著しく短くなった場合でも、女性は生まれたときから死ぬまで男性より長生きだった。さらに多くの病気の年齢調整死亡率は女性の方が低い。例外は脳卒中は性差が無くアルツハイマー病は女性がリスクが高い。線虫やショウジョウバエ、実験用のマウスなどではそのような一貫した性差は見られない。しかしヒトの性差の生物学で最も不可解な性質は、女性の方が長生きであるにも関わらず、成人期全体の平均健康状態は男性より悪いように見えることである。理由の一つは女性の方が骨や関節の病気になりやすいことがあるかもしれない。