食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 無機ヒ素の食事暴露と慢性健康アウトカムを評価するために縦断コホート研究を使うことについての考察

Considerations when using longitudinal cohort studies to assess dietary exposure to inorganic arsenic and chronic health outcomes
Scrafford, C. G., Barraj, L. M., & Tsuji, J. S
Food and Chemical Toxicology, 7/1/2016
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0278691516301466
食事からのヒ素暴露とその健康影響については関心が高まっている、一部は啓発が進んだためと一部の食品の無機ヒ素濃度データが入手可能になったためである。無機ヒ素の懸念については、高濃度で観察された有害影響をより低い濃度に外挿したものが根拠となっている。より低濃度での食事からのヒ素暴露の影響は確立されていない。このレビューでは縦断コホート研究が食事からのヒ素摂取と健康について信頼できる関連を推定するのに使えるかどうかを検討した。最大の限界は食品中のヒ素濃度データが限られることとヒ素濃度の違う食品が一つのグループにまとめられているため暴露量が間違って分類されることである。現在入手できる縦断コホート研究からは無機ヒ素暴露と健康影響についての因果関連の解析は限定的にしかできない。
バイオマーカーにも問題があって、尿などのヒ素代謝物を測定しようとすると食品中にはより害の少ない有機ヒ素化合物が多数あり、摂取したものが何か区別できない(無機ヒ素もアルセノベタインもDMAになる)

  • 化石燃料を燃やすことは二つの有意な方法で子ども達の健康を危険に晒す:科学者が根拠をレビューする

Fossil fuel combustion endangers children's health in two significant ways: A scientist reviews the evidence
21-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/cums-ffi061616.php
Environmental Health Perspectives。動画付き。
大気汚染と地球温暖化化石燃料への依存を減らすことは「倫理的義務」であると主張。

  • 米国の食事に改善が見られる

Improvement seen in US diet
21-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/tjnj-isi061716.php
JAMAの6月21日号に発表された研究によると1999年と2012年の全国を代表する調査で、自主申告による食習慣に、全粒穀物の摂取量が増えたことなどいくつかの改善がみられる。また人種や教育・収入レベルによる不平等の持続あるいは拡大が示唆される。
エディトリアルもある。

  • 一部の植物ベースの療法が閉経期症状の軽度改善と関連する

Some plant-based therapies associated with modest improvement in menopausal symptoms
21-Jun-2016
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-06/tjnj-spt061716.php
JAMAの6月21日号に発表された60以上の研究の解析によると、一部の植物ベースの療法がホットフラッシュの頻度と膣の乾燥の軽度改善に関連するが寝汗は減らさなかった。
閉経期に関連する症状の医学的治療法はあるが、ホルモン補充療法の副作用への懸念から40-50パーセントの女性が代替療法を選択する。様々な植物ベースの療法が閉経期症状を改善するかもしれないと報告されている。これらの治療法のレビューとメタ解析を行った。