食品安全情報blog過去記事

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その他

  • チャイルドフレンドリーなロゴのあるエクスタシー錠剤が英国で増加

`Ecstasy pills made with child-friendly logos on rise in UK'
Siobhan Fenton| The Independent | Jun 22, 2016,
http://timesofindia.indiatimes.com/world/Ecstasy-pills-made-with-child-friendly-logos-on-rise-in-UK/articleshow/52860898.cms
テディベアやディズニーキャラクターのような形をした「子どもに優しい」エクスタシー錠剤が作られている、と英国政府へのアドバイザーが警告している。この警告は先週末3人の12才の少女が「テディ錠剤」を使用して入院してことによる
ダースベーダーR2D2ミッキーマウスの書いてある錠剤やテディベアの形をしたピンクやブルーの錠剤が売られている。これらは子どもを標的にしているのではなく若い女性を標的にしているのかもしれない。
先週ショッピングセンターで病気になった少女達は錠剤を炭酸飲料に溶かして回し飲みしていたとされる

Clinical trial of anti-aging drug nicotinamide mono nucleotide begins in July
By Vittorio Hernandez  June 22 2016
http://www.ibtimes.com.au/clinical-trial-anti-aging-drug-nicotinamide-mono-nucleotide-begins-july-1519696
セントルイスワシントン大学と日本の慶応大学の研究者らによる10人の健康な人でのNMNの臨床試験が7月から始まる、と報道されている。
(第一相試験かな。しかしサプリは既に大量に売られている・・・中身が何かはしらないが)

  • 大麻専門委員会が発足:連邦保健大臣

Marijuana task force in the works: federal health minister
By Colleen Kitts-Goguen, CBC News Posted: Jun 21, 2016
http://www.cbc.ca/news/canada/new-brunswick/marijuana-task-force-health-minister-philpott-1.3645551
政府は大麻の合法化を準備する専門委員会を発表する予定だと言う
連邦保健大臣Jane PhilpottがTrudeau政権は政府の大麻の合法化について助言する新しい専門委員会を発表する予定であると語った。Philpottはカナダ看護師協会の会合で話すためにこの地方に来ていて、大麻は複雑な問題で専門委員会は司法や公衆衛生の代表も含むだろう、という。課題は大麻は子どもの手に届かないようにし、利益が犯罪者のポケットに入らないようにすることで、そのためには規制が必要である。妊娠中の飲酒についての公衆教育キャンペーンのように、大麻についても教育キャンペーンが必要。

Sense about science
Response to stories suggesting coffee can protect against cancer
15 June 2016
http://www.senseaboutscience.org/resources.php/220/response-to-stories-suggesting-coffee-can-protect-against-cancer
6月15日水曜日のDaily Mailの記事と New York Timesのブログが「保健担当長官がコーヒーはがんをよせつけない可能性があると語った」「コーヒーはがん予防になるかも」と報道した。
ケンブリッジ大学がん疫学教授Paul Pharoah教授
これらの記事がもとにしたIARCの報告はコーヒーを飲むことは子宮内膜がんと肝臓がんのリスク低下と関連するかもしれないと示唆している。この保護作用に関する根拠は、すべて観察研究であるためバイアスや交絡要因が問題となる可能性があるため強くはない。コーヒーを特定のがんの予防薬とみなすのは不適切であろう。
「保健担当長官がコーヒーはがんをよせつけない可能性があると語った」のような見出しは全くもって誤解を招くものである。なぜなら一つはコーヒーがあらゆる種類のがんのリスクを減らすように思わせること−実際には特定の二つ−二つ目は根拠が実際より強そうに見えること、である。
(IARCの報告からがん予防効果を見出しに持っていくのはかなりアクロバティックだけど、目立とうとしたのだろうか)

  • A SCIENCE ENTHUSIAT

http://ascienceenthusiast.com/
Dan Broadbentのサイト
サイエンスリテラシーを身につけようという趣旨の記事が多数
例えばInside Editionがもとチアリーダーでインフルエンザワクチンのせいで筋失調症になり正常に歩けなくなったがオステオパスの治療でなおったと主張するDesiree Jenningsを取材し、テレビカメラのないところでは正常であることを隠し撮りで確認してから本人に突撃しているというニュースを紹介

  • 栄養素:彼らはチームプレーヤーである

Nutrients: They're Team Players
by Berkeley Wellness | June 21, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/nutrition/article/nutrients-they-are-team-players
ちょっとクイズを出そう。
1.ほうれんそうは鉄とカルシウムの良い摂取源?
2.ビタミンCを摂取すると朝食シリアルの鉄の吸収が増える?
3.ビタミンやミネラル錠剤は食事と一緒に摂った方がいい?
答えは全て「イエス、しかし」で「しかし」のほうに強調:
1.イエス、でもほうれん草にはシュウ酸が含まれていてそれがこれらのミネラルに結合するので吸収は悪い
2.イエス、でもビタミンCが鉄の吸収を助けるのはそれがあなたの腸の中で一緒にいるときだけで、つまり一緒に食べないといけない
3.イエス、でも食事の内容による。脂溶性ビタミンは脂肪を含む食事と一緒のほうがよく吸収される。しかし食物繊維の多い食事だと一部のミネラルの吸収は阻害される。
生物学的利用度:栄養素がどうやって吸収されるか
あなたがいろいろな栄養を摂っただけでそれが100%消化管から血流に入って細胞に届くわけではない。人体が利用できるのは摂った栄養の一部のみである。これは生物学的利用度と呼ばれる。ビタミンやミネラルやファイトケミカルの生物学的利用度は大きく異なる。例えばマンガンは摂取量の約5%しか利用できないがカルシウムは30-40%である。推奨一日摂取量は典型的なアメリカ人の食事における栄養相互作用と一部しか吸収されないことを考慮している。
ある栄養素がどのくらい利用できるかはいろいろなことに影響を受ける:その摂取源、一緒に食べる他の食品、食品の調理や加工など。相互作用は複雑でしばしば予想できない。例えばビタミンCと非ヘム鉄はチームプレーヤーで、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける。亜鉛や鉄はお互いに阻害しあう。さらに食品に含まれる一部の物質はビタミンやミネラルの利用に干渉する。シュウ酸やフィチン酸がそうである。
栄養素が消化された後の吸収や保持量はあなたの身体に必要性にも依存する。例えば健康な男性はバランスのとれた食事の中の鉄を1%以下しか吸収しないが貧血のある女性は35%も吸収する。年齢にもより、例えば60才以上の人はビタミンB12葉酸の吸収が少ない。慢性疾患や一部の医薬品も影響する。
大事なのはバランス、多様性、そして食品全体
栄養相互作用の複雑さに関わらず、あなたは計算したり複雑な食品の組み合わせを考えたりする必要はない。以下の基本的助言に従えばいい:
・多様なバランスのとれた食生活
・流行の食事法はしない
・栄養はサプリメントからではなく食事から摂る

  • ナチュラルヘルス法案 苦い錠剤−Julia Rucklidge

SMC NZ
Natural Health Bill a bitter pill – Julia Rucklidge
June 22nd, 2016.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2016/06/22/natural-health-bill-a-bitter-pill-julia-rucklidge/
カンタベリー大学臨床心理学者Julia Rucklidge教授が、ニュージーランドヘラルドにナチュラルヘルス製品の規制に関する懸念を書いている。その抜粋
精神疾患が増加している。2010年から2015年の緊急照会の数字は増加している。オークランドDHBでは2010年は2000以下だった照会が2015年は6000以上になっている。この増加とともに、精神疾患が背景にある高度障害給付金の受給者が過去20年に4倍になった。この問題にどうやって対応するのか?我々の医療システムは医学モデルで運営されていて、通常は最初に向精神薬が提供されその後各種療法やサポートが提供される。処方数の増加からは医薬品への依存は明らかである。約50万人、10人中1人のニュージーランド人が抗うつ剤を使用している。この薬によるアプローチは西洋社会で普遍的で、効果があると期待されている。確かにこの治療は命を救うこともある。しかし本当に有効なのか、病気による疾患や障害は減っているのか?我々の研究室ではビタミンやミネラルなどの微量栄養素の精神疾患への影響を調べている。鬱やストレスや不安やADHDの治療に役立ったり認知機能の低下を遅らせたり囚人の攻撃性を減らしたりすることが示されている。
そして今ナチュラルヘルスおよびサプリメント製品法案が、人々を有害影響から守るために議会で最終検討のため提出されようとしている。
(ビタミンやミネラルが自由に使えなくなるという懸念、らしい。「効く」のなら医薬品にすればいいだけ。それにしても10人に1人が抗うつ剤って多くないか?)