食品安全情報blog過去記事

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その他

  • FDAは幹細胞治療について断固たる態度で挑むべきである

Natureエディトリアル
FDA should stand firm on stem-cell treatments
05 July 2016
http://www.nature.com/news/fda-should-stand-firm-on-stem-cell-treatments-1.20208
あなたは幹細胞治療について米国の規制が厳しすぎるという話を聞いたことがあるかもしれない。あるいはこれから聞くだろう。法改正を求めて患者団体や起業家や政治家がロビー活動を開始するので。彼らはFDAが治療法を認めないことで患者を殺していると言うだろう。これは嘘である。この批判はFDAが効果のある治療法を阻止していると印象づける。理由はもう何十年も幹細胞治療の臨床試験が行われているのに認可されたものが一つもないのはFDAが悪いと言う。提案されている法改正は適切な臨床試験の必要性を排除するものだ。日本のシステムを真似る。Natureは先に日本のシステムについて懸念を表明している。これは最小限の安全性のデータだけで「条件付き認可」を与えるというもので有効性は気にしない。この計画で認可された治療法は一定期間−約6年−販売できる。その後データを報告しなければならない。つまり別の言い方をすると患者の自己負担(通常30%)による第III相臨床試験である。そして過去のデータが示しているのはほとんどの第III相臨床試験は失敗するということである。人々は効果のない医薬品にお金を払ってそのお金は返ってこない。そして無効なことがわかったとしても既に販売されている医薬品を禁止するために厳しい戦いを強いられるだろう。結果として日本には安全ではあるが効果のない治療法が溢れるだろう。このことは全ての人にとって、効果のある治療法をみつけるコストが高くなることを意味する。アメリカもそうなりたい?
FDAが厳しくはないというもう一つの理由は既に多数の病院が効果の証明されていない幹細胞療法を販売していることである。これらの存在がFDAの緩さを示す。

Greenpeace Is More Dishonest And Dangerous Than The Mafia
Henry I. Miller
Jun 30, 2016
http://www.forbes.com/sites/henrymiller/2016/06/30/greenpeace-more-dishonest-and-dangerous-than-the-mafia/
(注:著者のHenry I. MillerはFDAにいたときに医薬品を担当していて最初の遺伝子組換え医薬品(組換えインスリンや成長ホルモン)の承認に関与した。その後の医薬品分野での遺伝子組換え技術の利用は当然かつ不可欠になっている。それなのに食品分野ではまるで別世界のような言説が蔓延っている、という背景)
私はマフィアの影響を強く受けたフィラディルフィア近郊で育った。彼らは冷酷で道を踏み外していて反社会的であった。大人になって彼らよりさらに人間嫌いな団体に遭遇した:グリーンピースである。ついに彼らは、威力脅迫および腐敗組織に関する連邦(RICO)法により、適切に、法廷から宣告された。グリーンピースはカナダの木材企業Resolute Forest Productsから民事でRICO法違反で訴えられた。訴状によるとグリーンピースはResolute社が禁止地域に入っているかのようなやらせの写真や動画を作り、火事や自然災害で影響を受けた地域をResolute社が伐採したと宣伝した。こういうことはグリーンピースの常套手段で、ACSHのHank Campbellは彼らを「インターネットハッカー集団で恐怖を煽って教育レベルの低い人たちに汚い仕事をさせるエコテロリスト」と呼んでいる。
日本の捕鯨船の銛をモーターボートでかいくぐっていた初期の頃から、グリーンピースはメディアを利用し、目に余る不正直さと政治的脅迫の才能で40ヶ国以上に事務所をもつ年に3億6000ドル余もの帝国を築き上げてきた。しかし人々はグリーンピースが鯨を救い油がガスの採掘に反対しているだけではないことをあまり知らない。10年以上に渡ってグリーンピースは最も貧しい国の人々に盲目と死亡を減らすのに役立つだろう必須栄養素を届けようとする試みを否定することを主導してきた。グリーンピースの標的はゴールデンライスで、それは1980年代から90年代にドイツの科学者Ingo Potrykusと Peter Beyerが開発した。コメは特にアジアで主要な食品で、カロリーは抱負だが微量栄養素が欠ける。ビタミンA欠乏は途上国の2-3億人の就学前の子ども達に影響していて毎年約50万人がビタミンA欠乏で失明しその70%が一年以内に死亡する。だからゴールデンライスはヒトの健康に寄与できるはずだった。しかしグリーンピースのような反テクノロジー団体が、既にリスクを嫌う規制機関に政治的問題をおこし認可を遅らせてきた。6月30日に発表された100人以上のノーベル賞受賞者らの署名した文書は農業での遺伝子組換えを支持し世界中のNGOや政府や国連に呼びかけている。
遺伝子組換え食品は何年もの間、左翼の、反テクノロジー活動家の「強烈に嫌いなもの」であった。多分それが「自然でない」ものの「悪」と企業の研究で開発されたものだからであろう。グリーンピースは安全性についての科学的コンセンサスには影響されない。彼らのゴールデンライス反対理由には科学的根拠はない。だから彼らの戦略は開発しようとする国を脅迫する戦略をとらざるを得ない。2012年にグリーンピースの発表した声明では24人の中国人の子ども達が「ゴールデンライス試験のモルモットとして使われた」という。言及されたのは2008年の研究で、ゴールデンライスが確かに必要なビタミンAを届けていることを確認したものである。安全性が問題になったことはない。しかしグリーンピースの発表は中国で怒りをかい、中国のニュースは研究者らが貧しい子ども達に危険な事件をしたと不正確に報道し中国警察が研究者を取り調べ研究を否定する声明を強要した。
このつくられた「スキャンダル」でグリーンピースは中国でのゴールデンライスの開発や認可を遅らせることに成功した。それからグリーンピースは特にフィリピンなど他の国で同様の恐怖キャンペーンを行っている。
何故グリーンピースが嘘をつき反社会的キャンペーンを続けているのかはわからない。はっきりしているのはゴールデンライスを殺すこと以上に世界の子ども達に有害影響を与えることはできそうにないということだ。生命や人々にとっての真の脅威は遺伝子組換えではない。グリーンピースという名前の犯罪組織である。
(先進国のセレブにとって途上国の貧しい子ども達はリアルな問題ではないのだろう。遺伝子組換え医薬品、だったら途上国には縁がなく先進国の金持ちがメリットを享受しているので反対することによるグリーンピースの金儲けにはならないだろうから)

  • Tottenham住民は飲料水が安全ではないのではないかと懸念

Tottenham residents concerned drinking water is unsafe
Tuesday, July 5, 2016
http://barrie.ctvnews.ca/tottenham-residents-concerned-drinking-water-is-unsafe-1.2973920
住民の一部が水道水のトリハロメタンを心配している。暫定ガイドライン濃度は100 microg/Lであるが水質検査では150以上になっているSimcoe Muskoka 地方健康ユニットのBrenda Armstrongは「水のトリハロメタンが時々基準をこえることがあるが、基準は予防的なものでその水は飲んでも安全である」という。Tottenhamの飲料水は井戸由来でジョージア湾からのパイプラインを建設する予定であるが少なくとも2020年まではかかる。
(Nancy McBrideが問題にしている水の写真がある。こんなに泥水っぽい色のものが飲料水とは思えないのだが。)

  • アボカドの種は食べられる?

Are Avocado Pits Edible?
by Jeanine Barone | June 23, 2016
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/are-avocado-pits-edible
Q:アボカドの種は食べてもいい?栄養があって健康的と聞いた
A:他の多くの種と同様、アボカドの種には栄養素や食物繊維や各種抗酸化物質が含まれる。しかし私達はアボカドの種を食べることは薦めない。主な理由は安全性がよくわかっていないからである。最近までアボカドの種を食べようとする人はそんなにいなかった。しかしFacebookに投稿された動画が3月以降2700万回再生されたことから変わってしまったかもしれない。その動画では皮の剥き方や切り方、粉砕してスムージーや焼き菓子に加える方法などを示している。アボカドが突然最新の「スーパーシード」になった。
アボカドの種子または抽出物を医療目的で使うことは古代からあった。南米やアフリカでは伝統薬として下痢や便秘、関節炎、皮膚病、歯痛などを含むいろいろな症状に食べたり塗ったりされてきた。試験管実験や動物実験でアボカド種子抽出物は抗菌作用、皮膚の再生、コレステロール低下などの有用性の可能性が示されている−他の多くの植物由来食品成分同様に。しかしヒトの臨床上のメリットを示した試験は存在しない。
安全性に関しては、たまに少量食べることは多分問題ないが、大量に定期的に食べるのは疑問である。たとえばScientific World Journalに2013年に発表されたマウス実験では、高用量のアボカド種子抽出物は遺伝毒性ではないが動物に有害だった。(LD50が1200.75 mg/kg)
全ての種子が食べても安全ではないことを忘れずに。アプリコットや桃の種はシアン化物を含むアミグダリンを含む。
基本
アボカドは実を食べよう。カリフォルニアアボカド協会ですら種を食べるのは薦めていない。種は新しいアボカドの木を育てるために使おう。
(節操のないクックパッドにも妙なものが
http://cookpad.com/recipe/3697975
一体何を根拠にダイエットとか言ってるんだろう?)