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研究が飽和脂肪と早期死亡の関連を発見

Behind the headlines
Study finds link between saturated fats and early death
Wednesday July 6 2016
http://www.nhs.uk/news/2016/07July/Pages/Study-finds-link-between-saturated-fats-and-early-death.aspx
Guardianが「米国の研究が、飽和脂肪を多く食べると早期死亡リスクが上がるという」と報道した。8万人以上の女性の参加したこの大規模研究は、最近注目された飽和脂肪の多い食事は安全だという報告と矛盾する。
この12万人以上の参加した最新の長期研究は、飽和脂肪および/またはトランス脂肪をオリーブ油のような多価不飽和脂肪に置き換えると死亡リスクが27%減ることを発見した。
バターやチーズを含む飽和脂肪についての賛否は近年研究により異なっている。Public Health Collaborationが発表した最近の報告では低脂肪食を薦める公式ガイダンスは実際には肥満の流行を悪化させていると主張する。その報告は先に検討したとおり、系統的とは言い難いものではあるが。
2015年に発表されたよりしっかりした研究の要約では飽和脂肪と死亡の関連は見つからなかった。結論の違いは、これまでの研究の要約では人々が飽和脂肪の代わりに何を食べたのかがわからなかったためである可能性がある、と最新報告の研究者らがいう。西洋風の食生活では、飽和脂肪を減らした人は2型糖尿病や心血管疾患に関連のある砂糖や精製穀物を多く食べるという。この研究では脂肪の種類を他のものに交換したときの影響を計算したという。
全体としてこの研究は飽和脂肪とトランス脂肪は不飽和脂肪に置き換えるようにという公式食事助言を支持する。
健康的な食生活に関する助言が研究が発表されるたびに変わるように見えるのは混乱する。しかしよく見てみると言及されている研究は必ずしも矛盾していない。コホート研究では因果関係を証明することはできないので飽和脂肪が早期死亡の原因だと言うことはできない。しかし脂肪の種類により健康影響が違うことの根拠にはなり、より健康的な脂肪に置き換えることが好ましいだろう。