食品安全情報blog過去記事

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消費者製品の使用や環境経由による化学物質の食事以外からの暴露を推定する既存方法論の概要

Overview of existing methodologies for the estimation of non-dietary exposure to chemicals from the use of consumer products and via the environment
EFSA Journal 2016;14(7):4525 [19 pp.]. 5 July 2016
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4525
この最新の科学的報告書は消費者製品の使用や環境(ほこり、空気など)に由来する食事以外からの暴露に関する情報をまとめて要約した文書を提供することを目的としている。食事以外の暴露に関する主要機関は欧州化学庁(ECHA)である。記述子システムの使用を含む化学物質の登録・評価・認可・制限に関する規則(REACH)に従った化学物質の登録手続きのあらましも提供する。このシステムはその物質について何を調べたのかを理解し、その使用による意味のある完全な暴露評価を保証するために、適正なレベルの情報を提供している。様々な経路や暴露源からの特定の化学物質の外部用量を推定するのに用いられるECHAのガイダンスで説明されているアルゴリズムツールボックスに特に注目した。このアルゴリズムは、妥当な「最悪事例」シナリオの導出から必要なら詳細暴露推定まで、段階的あるいは階層的アプローチに従って食事以外からの暴露推定を可能にしている。体重、皮膚の要因(例えば皮膚面積)、消費者製品の使用、活性係数、吸入率、意図しない土壌摂取率など、測定値が入手できないときに使用されるデフォルト値(暴露係数)の情報源も提供されている。最後に消費者製品や環境(室内空気)からの様々な化合物(カルボンやビスフェノールA)への食事以外からの暴露を推定するために、前述のツールボックスアルゴリズムの使用例が示されている。この科学的報告書は第78回総会でEFSAの科学的委員会に承認された。