食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 蚊についての神話を打ち砕く

Mosquito Myth Busters
http://www.tangimosquito.org/mbusters.asp
Tangipahoa(ルイジアナ州の郡)蚊駆除事務所には定期的に住人から各種の蚊駆除方法についての問い合わせがある。Mosquito Myth Bustersはそれらを検証している。
リステリンが殺虫剤になる
・乾燥機に入れるシート型の柔軟剤が蚊よけになる
・塩散弾銃で蚊を殺せる
・各種蚊避け製品
実験して、ほとんどが効果がないと判定されている。動画で結果を挙げている

  • ポケモンゴー:子ども(と大人)をソファから追い出せ

ACSH
Pokémon Go: Getting Kids [And Adults] Off The Couch
Posted on July 12, 2016 by Ana-Marija Dolaskie
http://acsh.org/news/2016/07/12/pokemon-go-getting-kids-and-adults-off-the-couch/
動画。運動するのにいいという話。
(大人気なんだ―日本ではまだできないけど)

SMC UK
expert reaction to artificial sweeteners and appetite
July 12, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-artificial-sweeteners-and-appetite/
Cell Metabolismに発表された研究で科学者が合成甘味料の食欲への影響をしらべた
Cardiff大学心理学准教授Dominic Dwyer博士
この論文はどれだけしっかりしているか?
スクラロース暴露の基本的影響はその後のエネルギー摂取量を増やすことでそれはこの論文の別々の実験で何度か繰り返し再現されているのでしっかりしている。遺伝や代謝や神経メカニズムについての異なる実験は同様に再現されてはいないがこの論文の堅強さに疑問を提示する明白な問題はない。
これは人工甘味料が食欲を増やすことの良い根拠となるか?
人工甘味料暴露が食品摂取(特に甘いカロリーのあるもの)を増やすことがあるのは既によく知られている。この研究はそのメカニズムとして神経ペプチドYの役割を探ったもので、NPYは既に食品の摂取量調節に関与することがわかっている。
この研究はショウジョウバエでのものである−ヒトにあてはまるか?
ショウジョウバエは遺伝や神経の研究に有用である。もちろんヒトと全く同じではなく、ヒトで同じことが起こるかどうか確認する必要がある。しかしこの研究ではマウスにNPYの結果を拡大していてショウジョウバエだけではなくほ乳類でもみられる。人工甘味料暴露で食べる量が増えるのはヒトでも観察されていることを思い出すべきである。しかし齧歯類では人工甘味料暴露の影響は長く続くがショウジョウバエでは約3日しか影響しないようである。従ってハエとほ乳類では違いがあるようだ。
一般的コメント
この分野の齧歯類研究では人工甘味料暴露は甘味とカロリーの通常の関係を破って甘味がカロリーを摂取したという信号にならないことを示唆する。この仕事はその考えに一致しその影響の背景には代謝と神経の信号伝達があることを示す。

  • 脳スキャン技術の限界−Donna Rose Addis教授

SMC NZ
Limits to brain scanning technology – Prof Donna Rose Addis
July 13th, 2016.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2016/07/13/limits-to-brain-scanning-technology-prof-donna-rose-addis/
Donna Rose Addis教授が、容疑者が犯罪について何かを知っているかどうかを脳スキャンで検出できるかどうか調べようという提案は技術の限界を超えている、という。
6月29日にカンタベリー大学の「脳はうそをつかない」プロジェクトを紹介した記事に反応して、オークランド大学の心理学者Addis教授がニュージーランドヘラルドに書いた、その抜粋。
実際のところ、世界中の神経科学者は脳スキャンで嘘や知っていることが検出できるという考えを否定している。脳スキャンで誰かが知っているかどうかを知ることはできない、理由はシンプルで、ある一つの脳波のパターンは多くの異なる種類の思考を示すからである。これは「一対多対応」と呼ばれ、脳のスキャン結果は幾通りにも解釈できることを意味し従って決定的ではない。また一人の人から信頼できる脳スキャン結果を得るのもしばしば不可能である。我々の脳の機能についての理解は人々の集団での研究での平均的パターンから得られたものである。全ての脳は違うのである個人の脳のパターンから知識の有無を結論することはできない。
(批判されているもとの記事は脳波で心が読めるという主張)

  • 引用ゲームのずるに注意

Natureワールドビュー
Watch out for cheats in citation game
12 July 2016
http://www.nature.com/news/watch-out-for-cheats-in-citation-game-1.20246
Mario Biagioliが発表された研究の影響力に注目することがあらたな不正行為や詐欺師のチャンスとなる、という
科学者が間違った行動をしたとき、しばしば「論文発表か死か」の文化が原因だと非難される。論文の手抜きや改ざんは確かに不正行為だが、別のプレッシャー、「影響を与えるか死か」による新しい不正行為がある。
科学者にとってもはや論文を出すだけでは十分ではない。論文は読まれて影響を与えなければならない。学術論文の世界では引用回数が指標になる。科学者や出版社はそのような指標のずるは喜んでする。ニセのメールアドレスでレビューワーを推薦したり自分の論文の引用を増やしたり。科学を評価するどんな指標も濫用される可能性がある。データ偽装と違ってこの種の出版後の不正は論文そのものについてではない。