食品安全情報blog過去記事

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ザクロ化合物が加齢の合併症に「有効」

Behind the headlines
Pomegranate compound 'could combat' complications of ageing
Wednesday July 13 2016
http://www.nhs.uk/news/2016/07July/Pages/Pomegranate-compound-could-combat-complications-of-aging.aspx
Daily Telegraphが「ザクロが細胞のリサイクルと再構築を促進して加齢を遅らせる、研究が示す」と報道した。しかしこの「神の食べもの」に飛びつく前に、問題の研究は線虫と齧歯類でのものである。ウロリチン類と呼ばれる化合物がザクロやナッツやベリーのような食品が消化されるときに腸内細菌により作られる。研究者らはそのうちの一つであるウロリチンAが線虫の寿命を延ばすことを発見した。またマウスとラットで筋肉の機能を向上させた。ウロリチンAは細胞のミトコンドリアに影響して加齢した筋肉を改善するようである。ミトコンドリアは食べものをエネルギーに変える部分なのでしばしば細胞のバッテリーと説明される。加齢に伴いミトコンドリアの機能は徐々に低下する。この知見ではウロリチンAは細胞に傷ついたミトコンドリアを排除して健康なミトコンドリアで置き換えることを促すことを示唆する。ヒトで同様のことが見られるかどうかはわからないが臨床試験が行われていて2017年には結果が出ると予想されている。
結果を待つよりも、高齢者は定期的運動で筋肉の強度を改善できる。