食品安全情報blog過去記事

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その他

  • Science 15 July 2016  Vol 353, Issue 6296

は自然災害特集。
希な災害は研究や計画が難しいが無視するのは危険すぎる

  • サイクリストのお気に入りの薬物が試験に失敗

Cyclists' favorite drug falls flat in trial
Martin Enserink*
Science 15 Jul 2016:Vol. 353, Issue 6296, pp. 206-207
南フランスのVentoux山の険しい山道を登っていて英国の有名な自転車乗りTom Simpsonが1967年に倒れて死亡した。剖検でSimpsonがパフォーマンス強化のためにアルコールとアンフェタミンを使用していたことがわかり、それが突然の心不全に寄与した可能性がある。今年のツール・ド・フランスの一ヶ月弱前に、同じコースで科学研究が行われた。エリスロポエチンEPO)が本当に効くかどうかを調べた。解析は完全に終わってはいないが、EPO使用者はプラセボ使用者より速くはなかった。

  • 脳スキャンは偽陽性になりがち、研究が言う

Brain scans are prone to false positives, study says
Greg Miller
Science 15 Jul 2016:Vol. 353, Issue 6296, pp. 208-209
fMRIのデータを解析し、ある種のソフトでは最大70%偽陽性になるという報告がPNASに発表された。この件を巡る騒動。
(エフェクトサイズの小さいものに無理矢理有意差つけて意味があると主張するような研究は分野を問わずこの手の問題が多い)

  • どの象徴的科学センターにポケモンがいる?

Science
Which iconic science centers are also Pokémon GO hot spots?
By Jessica BoddyJul. 14, 2016
http://www.sciencemag.org/news/2016/07/which-iconic-science-centers-are-also-pok-mon-go-hotspots
ポケモンGOのユーザーによるポケモン発見報告。
NASAのジョンソン宇宙センター、スミソニアンMathiasラボ、アリゾナ科学センター、AAASのエントランス、など。国際宇宙ステーションにはいない、と宇宙飛行士十人ほどから報告されている。
アメリカは明るくていいね)

  • 新しいBrexit政府で科学の地位が変わる

Science's status shifts in new Brexit government
Davide Castelvecchi  14 July 2016
http://www.nature.com/news/science-s-status-shifts-in-new-brexit-government-1.20264
再編した英国政権は研究と科学政策の変化の兆し

  • 何故合成大麻は人々にゾンビのような行動をさせるのか

Why does synthetic marijuana make people act like zombies?
July 14, 2016,
http://www.cbsnews.com/news/why-does-synthetic-marijuana-make-people-act-like-zombies/
K2あるいはスパイスと呼ばれる合成カンナビノイドや他の化合物をハーブに混ぜたものを使う人は、信じがたいような奇妙な行動を示す。米国の若者に流行中のいわゆる合成大麻は、典型的には吸入するが、その後歩道から車道によろよろ出て行ってまるでゾンビのように見える行動をすることが報告されている。
セントルイス医科大学のAnthony Scalzo教授によるとK2に含まれる化合物はますます危険になっている。使用者は大麻と同じと考えているがもっと強力で、幻覚、激しい興奮、心拍数増加、高血圧などの症状が出る。さらに気分への影響があり、根拠のない他人への不信、不安、パニック攻撃、精神異常などのパラノイアが生じる。こうしたものをひとまとめに「ゾンビ効果」という。
(以下略。)

  • 検視官は致死的幹細胞治療に「インチキ医療の特徴」を発見

'Hallmarks of quack medicine' in fatal stem cell treatment, coroner finds
Friday 15 July 2016
http://www.abc.net.au/radionational/programs/backgroundbriefing/hallmarks-of-quack-medicine-in-fatal-stem-cell-treatment/7630288
アルツハイマー病の75才の女性を死亡させた美容外科医の審問についてAnn Arnoldが報告する。
75才のSheila Drysdaleはミニ脂肪吸引幹細胞治療法によるコントロールできない失血により死亡した。この実験的治療法により初めて報告された死亡例である。
2013年12月にアルツハイマー病を治療する目的で行われたこの治療法は「インチキ医療の特徴」がある、とHugh Dillon検視官がいう。絶望的な患者に対して、疑似科学で、根拠のない治療法で大金を儲けている。
Bright医師は患者の夫と手術4日前に話をし、彼女はアスピリンの使用を止めるべきだと言ったという。しかし手術の日、血液凝固抑制剤を止めているかどうかは確認しなかった。
Bright医師は美容外科医でオーストラリアの脂肪由来幹細胞業界のパイオニアである。検視官によるとBright医師の医師としての能力は貧弱でそれが患者の死に繋がった。Bright医師は州の医療苦情委員会で調査すべきとしている。
他の医師達は糖尿病から多発性硬化症まであらゆる病気を治療できると幹細胞治療を続けている。一部の患者が治ったと主張している。しかし他にも報告されていない被害がある。