食品安全情報blog過去記事

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PHEはビタミンDについて新しい助言を発表

PHE publishes new advice on vitamin D
21 July 2016
https://www.gov.uk/government/news/phe-publishes-new-advice-on-vitamin-d
骨と筋肉の健康のため、全ての人が平均1日10マイクログラムのビタミンD相当量を必要とする、と本日PHEが政府に助言した。これはSACNの助言による。
ビタミンDは日光により皮膚で作られ、ほとんどの人にとってはこれが主な摂取源である。SACNは日光により皮膚でできるビタミンDの量を同定できなかったので、1日10マイクログラムの摂取を薦めている。
PHEは、春と夏は大部分の人は日光と健康的でバランスのとれた食生活で十分なビタミンDがとれると助言する。秋と冬は食事から摂る必要があるだろう。推奨量を食品から摂るのが難しいのでサプリメントの使用を検討すべき。
養護施設にいたり常に皮膚を覆っていて日光にあたらない人たちはビタミンD欠乏リスクがあるので年中サプリメントを摂る必要がある。アフリカ系やアフリカ−カリブ系、南アジア系の皮膚の色が濃い人たちは夏の日光で十分なビタミンDが得られない可能性があるので一年中サプリメントを摂ることを検討するべきである。
1才から4才の子どもは毎日10マイクログラムのビタミンDサプリメントを摂ること。PHEは6ヶ月までは母乳のみで育てることを薦めているが、予防的措置として1才未満の赤ちゃんは1日8.5から10マイクログラムのビタミンDサプリメントを摂るべきである。1日に500mL以上の乳児用ミルクを飲んでいる子どもは、既にミルクにビタミンが強化されているので追加のビタミンDは必要ない。
なお低所得の家庭には無料でビタミンDサプリメントが提供されている。

SACN vitamin D and health report
21 July 2016
https://www.gov.uk/government/publications/sacn-vitamin-d-and-health-report
(イギリスの冬はほんとうにお日様が少ないらしいので、日本にはあてはまらないと思うけど)

  • SMC UK

SACNの新しいビタミンD助言への専門家の反応
expert reaction to new SACN recommendations on vitamin D
July 21, 2016
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-new-sacn-recommendations-on-vitamin-d/
栄養に関する科学助言委員会が1才以上の全ての人に筋骨格の健康を守るために毎日10マイクログラムのビタミンDを摂取すべきだと薦めた
East Anglia大学ミネラル代謝教授Susan Fairweather-Tait教授
SACNは25ヒドロキシビタミンD血漿中濃度25 mmol/Lを標的にして必要量を決めた。それ以下の濃度だと骨の健康に有害影響があるリスクが増える。この摂取量は、摂取した量と紫外線暴露のない冬の間の血中濃度の関連についてのデータから導き出した。
SACNは50 mmol/Lを採用したEFSAより保守的なアプローチを採用し、将来他の健康上のエンドポイントについての用量に関連した影響の根拠ができれば参照摂取量は改訂される必要が生じるかもしれない。
天然にビタミンDが多い食品をあまり食べない人にとっては、英国では食品に強化する政策はないので、冬の間はサプリメントが必要になるかもしれない。
天然にビタミンDが多い食品は油の多い魚(まぐろ、サバ、サーモン、イワシ、ニシン、サーディン)、卵の黄身、タラ肝油でレバーや肉やミルクにも少し含まれる。朝食シリアルなど任意で強化されている食品もある。