食品安全情報blog過去記事

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食品中のマラカイトグリーン

Malachite green in food
27 July 2016
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/160727
マラカイトグリーンは発がん性と遺伝毒性(すなわちDNA傷害)がある染料である。水産養殖の治療薬として世界的に使用されているが、EUでは食品を生産する動物への使用は認められていない。
フードチェーンの汚染物質に関するEFSAのパネルは、食品中の、特に魚・魚製品・甲殻類マラカイトグリーンからの消費者へのリスクを評価した。特に、欧州委員会は食品1kgにつき2マイクログラム(μg)のマラカイトグリーンの参照値は適切に公衆衛生を保護するかどうかをEFSAに評価するよう求めた。EFSAの専門家は最大2μg/kgのマラカイトグリーンで汚染された食品への暴露は健康上の懸念とはなりそうもないと結論した。

Malachite green in food
EFSA Journal 2016;14(7):4530 [80 pp.]. 27 July 2016
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4530
マラカイトグリーン(MG)は世界的に水産養殖に使用されているが、EUでは食品を生産する動物への使用は登録されていない。欧州委員会はEFSAに、MGとその主要代謝物質であるロイコマラカイトグリーン(LMG)の合計の、規制のための参照基準(RPA) 2 μg/kgが公衆衛生を保護するのに適切かどうかを評価するよう求めた。入手可能な食品中濃度データは信頼できる暴露評価には適さなかった。全ての種類の魚・魚製品・甲殻類にRPA濃度で存在するという仮定に基づいた食事暴露が計算された。様々な欧州食事調査や年齢階級を通した平均食事暴露は0.1〜 5.0 ng/kg/体重 /日だった。たくさん頻繁に魚を消費する人では、暴露は1.3 〜11.8 ng/kg/体重 /日だった。MGと LMGは両方ともラット及び/またはマウスの肝臓のDNA付加体やマウスの小核形成を誘発する。LMGはマウスの肝臓の遺伝子突然変異(cIItransgene mutations)も誘発する。MGは甲状腺ろ胞腺腫やがん、雌のラットの乳腺がんの用量に関係のない僅かな増加を引き起こす。LMGは雌のマウスの肝細胞腺腫とがんの増加の原因となる。MGと LMGは両方とも発がん性でin vivoで遺伝毒性があると考えられている。発がん影響の参照点として肝細胞腺腫とがんを選び、BMDL10は13 mg/kg体重/日となった。非発がん影響として、MGについては肝重量への影響で、LMGについては体重への影響で、BMDL05は6 mg/kg体重/日だった。
暴露マージンは発がん影響については1.1 × 10^6以上、非発がん影響では4.9 × 10^5以上だった。CONTAMパネルは2 μg/kgのRPAまたはそれ以下でMG/LMGに汚染された食品への暴露は健康上の懸念を示しそうもないと結論した。